人材を求めて世界に目を向ける時代へ
初めまして。ALOTE事業責任者の小澤春奈と申します。<外国人と働く>をテーマに執筆しています。
外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、様々な視点からお話ししていきます。
それでは、今回の本題「人材を求めて世界に目を向ける時代へ」についてです。
そろそろ来年度の内定者の受け入れ準備も佳境に入る時期でしょうか。
採用担当者の方も、新入社員を受け入れる部署の方も、「優秀な人材が来てくれて、わが社に定着してくれるといいなあ」とお考えかと思います。
コロナ禍の現在においても、現場で仕事を回さなければいけないのは同じ、せっかくなら外国人採用のアレコレを雇用の現状と共に探っていきましょう。
今こそ優秀な人材を獲得するチャンス
皆さんが新規採用を考えるとき、どんな人材を思い浮かべるでしょうか。
「来たれ、フレッシュマン!」大学生などの一括新卒採用でしょうか。「即戦力がほしい!」中途採用でしょうか。
思い浮かべた採用に、外国人と働くというのをイメージされた方はゼロではないと思います。
実際に「私の同僚は外国人だよ」「隣の部署に外国人がいるなあ」という方もいるでしょう。
同じ会社の同僚ではなくても、コンビニでアルバイトをしている外国人や、工場の夜勤のためにバス停に並んでいる外国人を見かけることは多いはずです。
外国人を雇用している企業数、外国人労働者ってどのくらい?
厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年10月現在)によると、企業規模の大小に関わらず、外国人労働者の雇用を行っている企業数は267,243か所、外国人労働者数は1,724,328人に上っています。
日本国内の企業数は約171万社(出典:平成24年経済センサス‐活動調査 企業等に関する集計-産業横断的集計(企業等数)とされているので、15.6%の企業が何らかの形で外国人を雇用している計算になります。
どうでしょうか?予想よりも多かったでしょうか?少なかったでしょうか?
私は1割弱と予想していたので、意外と多いと感じました。
しかし、思い返してみると、街中で外国人を見かけることはそれほど珍しくはなくなっているので、妥当な数字だとも感じました。
新型コロナ感染症の影響によって新規採用状況が厳しくなっていることを考慮してもなお、外国人を雇用することはどの企業でも当たり前の選択肢となっているのかもしれません。
コロナ禍で、需要と供給の全体像が大きな変革を見せています。むしろ、この逆境でこそ、新たな人材獲得を考えるチャンスと捉えて動いていく必要があるのではないでしょうか。
・ 外国人雇用をしている企業は、約26万か所
・ 外国人労働者は、約172万人
・ 15.6%の企業が外国人を雇用している
日本で外国人が活躍できる仕事とは?
では、具体的に外国人が活躍する仕事についてお話ししたいと思います。
ここでは「どのような仕事があるか」という視点でお話ししていきます。
皆さんが、働く外国人を目にする主なタイプを5つに分類してご説明していきます。
在留資格(いわゆる就労ビザ)別の全ての活動をご説明していませんので、在留資格についての記事は「 」をご覧ください。
①国際業務
:いわゆる海外営業、国際コンサルティング業務、貿易実務など
これはいわゆる、企業で国際業務に従事する外国人です。彼らの海外とのコネクションを活用し、かつ翻訳・通訳を兼ねて業務を行う外国人が多いようです。
②インバウンド事業
:増加する外国人観光客によるインバウンド需要を支える業務
これは、海外からの訪日外国人(旅行者、観光客を含む)の消費行動を対象とした産業のことです。
訪日外国人は観光などを目的とした短期滞在のため、日本語が堪能ではなく言語アシストを必要としているケースが多いため、日本語、英語、それ以外の母国語に堪能な外国人の活躍が期待されます。
具体的な業務例としては、通訳やツアーガイド、ホテルなどの宿泊施設のレセプション業務、小売店の販売員などが挙げられます。
③エンジニア
:IT技術者としての業務
この分野においては、「外国人を採用したい」というよりも「採用したい優秀な人材が外国人だった」という企業が多いようです。
プログラミング言語が共通であれば、日常的に使用する言語は必ずしも日本語である必要はない、と考えられているからです。
また、企業全体で英語を共通言語化する動きも見られます。
有名な例としては、フリマアプリのメルカリが挙げられます。
メルカリでは、新規エンジニア採用を日本国籍以外の比率を上げて行っています。
特に2017年以降、海外での採用活動を積極的に行い、2019年8月東京オフィスにおけるエンジニア社員比率は日本国籍以外が40%を占めるほどに急増しています。
④特別な14業種
:人手不足が深刻な業務
2019年の法改正以降、労働力確保を目的とした業種(介護、製造業、建設、農業、外食業など)での外国人雇用が認められるようになりました。
この新設された在留資格は、特定技能1号、2号と呼ばれます。
法改正以前は、日本国内における外国人労働者の人手不足解消を目的とした就労は原則として認められませんでした。
政府は、この特定技能1号、2号の受け入れ見込み数を約345,000人(2023年度まで)と試算しています。
⑤留学生、家族滞在外国人のアルバイト
:コンビニやスーパー、ファミレス、工場作業、ビル清掃、など単純労働を含む業務
上記の④以外の単純労働が認められているのは、この⑤でのアルバイト外国人です。皆さんが街中でよく目にするのは④⑤の一般消費者に接する業務(いわゆる接客業)が多いと思われます。
今後は③④に従事する外国人の増加が見込まれます。
皆さんの想定する外国人雇用は、上記の中にあったでしょうか。
外国人採用の可能性は広がる
コロナ以前と比較すると、日本へ新たに渡航し就労を始める外国人の急増は見られなくなりました。
しかし、送り出し側である東南アジア諸国出身の外国人にとって、「就労地、日本」は依然として魅力的に捉えられています。
そして、受け入れ側である日本の企業でも、外国人を求める動きは今まで以上に広がっていくと思われます。
まずは外国人雇用について知り、貴社の採用活動に活かしてみてください。