お国同士のウラ事情が原因?外国人同士のケンカに発展するかも!
初めまして。ALOTE事業責任者の小澤春奈と申します。<外国人と働く>をテーマに執筆しています。外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、様々な視点からお話ししていきます。
今回は「社内の外国人同士のケンカとその原因」についてお話しします。この記事を読めば、国同士の相性の良し悪しが理解できます。また、どんな背景で仲たがいしやすいのかがわかるので、トラブルを未然に防げます。
チームワークに亀裂!様々な背景が理由で敵対する外国人
<外国人が個人プレイに走ってしまうワケ>の中で、「チームワークができないのは、国同士の相性の悪さも一因としてある」とご説明しました。
何らかのお国同士の事情で、お互いを敵視しやすい国は実際に存在します。
それが原因でチームがうまく回らなかったり、お互いがコミュニケーションを避けたり、といった問題が起こるかもしれません。仕事でチームを編成する場合や、メンター/メンティーなどの組み合わせをする場合、これを知っていれば現場のトラブルを避けられる可能性もあります。
もちろん個人同士の相性もあると思いますが、「お国同士のウラ事情」、上司や同僚なら知っておいて損はありませんよ!
歴史的背景が理由の場合
ここでは、過去の歴史的経緯が今も尾を引いて不仲な関係を作ってしまっている例を4つご説明します。
国の成り立ちや、戦争、植民地支配など、原因は様々ですが、何百年もの長い期間にわたって、仲たがいをしている国同士も多くあります。個人としてはとても付き合いやすい人柄でも、ふとした瞬間に過去のわだかまりが再燃することもあります。
一方的に相手を敵視している国もあれば、お互いに悪感情を持っている場合もありますので、チーム構成を考える際は相性をよく考慮してくださいね。
①フランス・イギリス
度々行われてきた戦争が原因で、両国にはいまだに感情的なしこりが残っています。
英仏戦争とまとめられていますが、その戦争は100年戦争を筆頭に十数回に上っています。戦争だけのいさかいにはとどまらず、長さや重さの単位を両国で別々に設定し、国際単位としてどちらが採用されるかいがみ合ったりもしています。
EUとしてヨーロッパでタッグを組んでいた時期もありますが、ウマが合わないのは事実のようです。
②中国・台湾
どちらかと言うと、台湾人が中国人を敬遠する傾向があります。
中国政府は「台湾は中華人民共和国の一部である」という主張をしています。そういった経緯もあり、台湾人は中国人といっしょくたにされることを嫌がります。
第二次世界大戦終了までの約50年間、台湾は日本に統治されていた歴史がありますが、台湾人には親日家が多いようですので、日本人とは相性は悪くなさそうです。
③ 中国 ・ 香港
こちらのケースも、香港人が中国人を敬遠する傾向があります。
1842年、中国が清朝の時代にアヘン戦争でイギリスに敗北し、香港はイギリスの植民地になりました。1997年に中国に返還されましたが、1984年の中英共同声明で「従来の資本主義体制や生活様式を、返還後50年間維持する」と明記されいることから、香港人は中国政府から抑圧されることに反発し、度々衝突が起きています。
④ 中国 ・ ベトナム
近年、領海問題などが原因で中国とベトナムとの関係が悪化していました。②③と同様にベトナム人が中国人を敬遠する傾向にあるようです。
私が日本語学校で教鞭をとっていた2014年、中国が複数回に及ぶ領海侵犯を行った時期は特にベトナム人の反発が大きく、実際に教室で日本語の悪口が飛び交い、取っ組み合いのケンカに発展してしまったクラスもありました。
2022年サッカーW杯カタール大会アジア最終予選が行われた際、グループB最下位のベトナムが中国を3-1で下したのですが、中国人にとっては屈辱的な結果だったようで、「サッカーはもう見たくない」という中国人もいたようです。特に中国・ベトナム両国における旧正月の敗戦だったことで、サッカーファンにはショックが大きかったようです。
文化的思想が理由の場合
⑤ 【 韓国 】 年下の上司/先輩、 年上の部下/後輩
儒教思想が根強い韓国では、年上や先輩が非常に敬われます。
日本のようなウチソトの敬語(身内に対して敬語を使わない、等)ではなく、年上に対する絶対的な敬語を使用するため、日本における敬語の概念とは異なります。
そのため、韓国人を含む人間関係において年齢や肩書の逆転現象が起こった場合、この絶対的な敬いの関係がギクシャクしてしまうのです。特に同性同士がそれが顕著であるようで、私が個人的に知り合った韓国人のほとんどは初対面で必ずと言っていいほど年齢を聞いてきました。
「女性に年齢を聞くなんて・・・」と日本人は嫌な思いをする方もいるかもしれませんが、単純に年上を敬いたいという気持ちの表れなのです。
敬遠感情が理由の場合
同じ国の人同士、隣国の人同士。一見、同じ考えや似ている習慣を持っていそうですが、そう簡単にはいかない場合もあります。
日本の場合にも、「遠い隣国」と表現される国がありますよね。文化交流はとても盛んなのに、似ていても非なる国同士なのでしょうか。
せっかく同じ国同士、ご近所同士ですから仲良くしていきたいものですが、近いからこそ難しいことなのかもしれませんね。
⑥ 【 中国 】 違う出身地の中国人
中国では同郷であることでの繋がりが強い傾向にあります。反対に、同じ中国人同士でも、出身地が違えば知り合ったばかりの時期は積極的にお互いに関わろうとしません。
特に上から目線で他の中国人と接する傾向にある上海人が、他の出身地の中国人から敬遠されやすいようです。
中国には、都市戸籍(約4割)と農村戸籍(約6割)の2種類に分けられています。都市戸籍が優遇されることから、都市戸籍に対する妬み感情が伴うこともあります。
⑦ 【 ベトナム 】 タインホア省出身者
ベトナム人は日本における外国人労働者の割合のトップです。しかし、出身地の違いによる国内のわだかまりも存在します。
中でもタインホア省出身者が他の地域出身者から敬遠されるようです。「タインホア省出身者は信用できない」というイメージがあるのがその理由だそうです。
タインホア省出身者は日本でも多く労働しているので、ベトナム人同士でチームを組ませる場合は考慮する必要があるかもしれません。
⑧ インド ・ ネパール
隣国であるインドとネパール。日本では「インド・ネパールカレー」と看板を出しているお店をよく見かけるかもしれません。
しかし、仕事仲間でカレーを一緒に食べに行く場合も料理の地域差もありますよね。実は、彼らはいっしょくたにされることを嫌うそうです。
一緒に仕事をするという意味では相性はよく考慮しなければなりません。どちらかというと、ネパール人がインド人を敬遠する傾向にありますので、注意が必要です。その理由はインド人が上から目線でネパール人に接することがその理由だそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
私たちはつい、「日本人」と「外国人」という区分けだけでとらえてしまいがちです。しかし、「外国人」と十把ひとからげにして対応すると、それぞれの人格をないがしろにした対応になってしまうでしょう。
ひとりひとりをチームの仲間として認め、何らかのトラブルがあれば、原因を探ったうえで対処する必要があります。
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