マナーが悪い外国人の目撃情報多数?!頻発するトラブル事例を場面別にご紹介

初めまして。ALOTE事業責任者の小澤春奈と申します。<外国人と働く>をテーマに執筆しています。外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、様々な視点からお話ししていきます。

今回は「外国人のマナートラブル」についてお話しします。この記事では、外国人のマナーが悪いと言われているトラブル事例とその原因についてお話しします。正しく理解して、お互いがトラブルなく共存するための対応策をご提案します。

目に余る!?外国人のこんなマナー違反

モヤっとしちゃう外国人のマナー違反あるある

毎日のように街中で見かける外国人。「マナーが悪いなあ」と眉をひそめたことはありませんか?

【 外国人のマナー違反あるある 】

  • スマホ通話マナー
  • トイレの使い方
  • 割り込み行為
  • ゴミのポイ捨て
  • 撮影マナー
  • 入浴マナー

これらはよくあるマナー違反のほんの一例。

もっとひどいケースを見かけた方も多いのではないでしょうか?

確かに、マナー違反は決して外国人だけの問題ではなく、日本人にも言えることです。数で考えれば、日本人の方が絶対的多数ですし、マナー違反をしている人も少なからずいるはず。

しかし、外国人というだけで、とかく目につきやすく、印象に残ってしまうことが多いかもしれません。

「外国人のマナー違反」に少しでも、ピンと来た方!是非、最後までじっくりお読みくださいね!

外国人のマナーが原因のトラブル事例

【観光】撮影禁止場所での動画・写真撮影

憧れの観光地に来たら、写真や動画を撮影したくなるのは理解できます。SNSに公開するために、撮影にも力が入るでしょう。

しかし、撮影に夢中になって通行を妨げたり、周囲の人に接触してしまうケースも報告されています。重要文化財など撮影禁止の場合でも、フラッシュをたいて撮影してしまうルール違反も頻発しています。

カメラを構える外国人男性

【観光】接触禁止の無視、加熱する聖地巡礼

この接触禁止は京都の舞妓さんへの迷惑行為で注目を浴びました。舞妓さんが身支度をして京都の町中を移動するのは夕方の出勤時。お座敷への移動のために歩く舞妓さんを執拗に追いかける。写真を撮るために取り囲む外国人が問題になりました。

エスカレートした人の中には着物に触れたり、袖を引っ張ったりもしたそうです。舞妓さんの着物は高級品なので、汚したら大事。加えて、着付けは自分ではせず男衆(おとこし)さんがするため、着崩れてしまうと仕事にも支障が出てしまいます。

また、聖地巡礼での迷惑行為も報告されています。日本の漫画やアニメに興味を持って来日した人の中には聖地巡礼に熱狂する人も多くいます。聖地巡礼というのは、漫画やアニメの舞台やモデルになった場所を訪れることを指します。付加価値のある「コンテンツツーリズム」として商品化されています。

しかし、その漫画やアニメを町興しとしている自治体もあれば、地元住民にすら周知されていないこともあります。事情を知らない地元住民に不安を与えるなどして日常生活の妨げ・迷惑になる場合もあるのです。

舞妓さんのあとを追いかける外国人

【観光】予約の無断キャンセル、予約なしでの訪問。双方に原因がある?

新型コロナ以前からの問題だったのが、この無断キャンセル。宿泊施設だけではなく、飲食店の予約のキャンセルも頻発しています。無断キャンセル、いわゆるだまキャン(だまってキャンセル)。また、反対に予約必須の施設に予約なしで押しかけてしまう人も多いそうです。

日本の交通事情、特に乗り換えが複雑でたどり着けなかった人もいます。また、連絡手段や言葉がわからず連絡できなかった人もいます。しかし、仕入れをして料理や席を準備していた店としては、コスト的にも打撃が大きいです。

【宿泊】公衆浴場や温泉での入浴マナー違反

公共の浴場に裸で入る文化がない国からの観光客に多いマナー違反です。

水着や下着着用で入浴したり、湯船にタオルをいれてしまうのがよくあるマナー違反です。その他にも、湯船の中で歯磨きをしたり、せっけんの泡が付いたまま湯船につかってしまう人もいます。

【宿泊】ホテルや旅館での備品の持ち去り

日本に中長期在留している外国人も旅行をするのは大好きです。ホテルや旅館に宿泊した際、アメニティグッズ以外の備品を持ち帰るというケースも頻発しています。持ち帰り可能なアメニティは歯ブラシやカミソリ、ヘアブラシなどです。それらは問題ありません。

持ち去りで多いのが、浴衣やバスタオル、バスマットなど。一つ一つの被害は軽微でも宿泊施設側からしてみたらかなりの痛手です。エスカレートしたケースはもはや窃盗です。灰皿や花瓶、果てにはトイレのウォッシュレット便座まで持って帰ってしまった人もいたとか。

ホテルの部屋とベッドの上にある浴衣

【公共の場】ゴミのポイ捨て、トイレの個室にゴミを置き去り

特に、ゴミのポイ捨てによって観光地の景観が損なわれている問題です。。観光地は食べ歩きをしてゴミが出やすいのですが、ゴミ箱が見当たらずに道端に捨ててしまうのです。

商業施設や公共のトイレの個室にゴミを置き去りにしているケースもあります。容器に中身が残っている状態で放置されているものもあり、衛生的にも問題です。

みなさんもご経験があると思いますが、汚れている場所では自分が更に汚すことに抵抗がなくなります。ゴミが放置されている場所では、そのゴミが呼び水になって更にゴミを呼び寄せてしまいます。反対に清潔に保たれている場所はきれいなままです。きれいなのに自分が汚してしまうことに罪悪感が生まれるからです。

【公共の場】電車内でスマホ通話、友人と大騒ぎ

日本の電車内は、外国人には異様に感じるそうです。話し声が聞こえず異常に静かだと不思議がられています。日本以外では電車の中でも周囲の人と話す人は多いためです。

そういった背景もあり、日本でも同じ行動をとる外国人は多いのです。大声で通話したり、ビデオ通話をしながら混雑した車内を相手に見せている人もいます。混んでいる電車内での話し声を抑えるということもあまりしないため、通勤通学の日本人客から迷惑がられてしまいます。

【公共の場】路上酒盛り、銀座の歩道を占拠して座り込み飲食

よく見かけるのが、駅前や繁華街などで座り込んで飲酒を始める姿です。特に集団で座り込んで大声をあげていると通行の邪魔になりますし、騒音の問題もあります。

私が実際に見かけたのが、某会員制大型スーパーマーケットの敷地外で寿司パーティーを始めたグループです。そのスーパーは大容量の持ち帰り寿司を販売しているので購入している人はたくさんいます。しかし、道端で手づかみで食べてお酒をあおっているのは衝撃的でした。

また、銀座エリアで「爆買い」が最盛期だったころ。観光バスを待っている外国人観光客が空腹を我慢できず、路上で座り込み飲食を始めました。銀座のハイブランドショップの目の前で騒ぎながら、お弁当を広げる様子は異様でした。ゴミもその場に置きっぱなしにされていて、彼らの去った後はひどい有様でした。

【公共の場】列に並ばない、横入り、割り込み

行列ができるラーメン店などが海外でも取り上げられることが増えたといいます。それに伴って、列に並ぶことを理解して実践してくれる外国人も増えてきました。朝のラッシュ時、電車に乗車するために規則正しく並んでいる日本人の映像が紹介されることも多いそうです。そのマナーの良さが好印象を持たれているため、外国人も真似してくれているようです。

しかし、テーマパークで気分が高揚してしまうと一部の人は割り込みをしてしまうこともあるようです。ショッピングでも同様のことが発生しています。グループのうち一人が列に並び、あとから友人が大勢やってきて横入りをする例もあります。

整理券を発行していたり、列が別の場所に続いている場合もありますよね。日本語でしか案内がない場合、外国人にはわかりにくいケースもあるようです。店舗や施設運営側の列の誘導があいまいであることも原因としてあります。

【公共の場】喫煙場所以外での喫煙

歩きたばこ禁止条例によって、公共の場所での喫煙を制限している自治体も増えてきている日本。罰則が設けられてから、日本人の路上喫煙者は減少傾向にあります。

国によっては分煙/禁煙ルールがないに等しい場合もあります。喫煙マナーを守るという意識が低い人もいるのです。日本に来てその習慣を改めるのは難しく、いつものように喫煙場所以外での喫煙をしてしまうようです。

【その他】ゴミ出しルール、民泊でのトラブルも

日本在留が長い外国人でもゴミ出しマナーが守れない外国人はいます。曜日や時間を守るのはもちろん、分別ルールが細かくてわからないケースもあるでしょう。指定のごみ袋の購入義務を知らないというケースもあります。

私は2013年に仕事でミャンマーに3か月滞在したことがあります。そのとき、ゴミ出しについて驚きの体験をしました。日本でいう団地(集合住宅)を賃貸していたのですが、ゴミ出しというものがありませんでした。その団地ではゴミの分別は不要で、毎朝自分の玄関先にゴミを置いておけば回収される決まりでした。

日本での習慣で、ビン缶、ペットボトルは分別していました。しかし、収集の人は分別は関係なく回収していたようです。そのようなゴミ出しルールで生活してきた外国人であれば、日本のルールにはなかなか馴染めないのではないでしょうか。

また、民泊の認可に伴って増加した問題もあります。宿泊者のチェックアウト時の無断ゴミ出しです。

例えば、燃やすごみの回収日が月曜・木曜だった場合です。もし、チェックアウトが火曜であれば、チェックアウト時にゴミ出しはNG。しかし、宿泊者はそれでもゴミを出すので、回収日ではない日に当たってしまうのです。

その外国人もゴミ出しの曜日は知っていたかもしれません。しかし、チェックアウトしたあとゴミを持ち歩くことはむしろ周囲の迷惑になります。仕方なくゴミを出してしまった可能性もあります。

放置されたゴミ袋

【その他】トイレの使い方

日本のウォシュレット便座が世界的に評価されているのは有名な話です。しかし、ウォシュレット便座含む、洋式便座の使い方はあまり知られていないようです。

洋式便器に土足のまま上がって用を足したり、トイレットペーパーを流さない人もいます。母国ではトイレットペーパーをゴミ箱に捨てる習慣の外国人も多いため、日本に来て混乱するそうです。

私が日本語学校に勤務していたときは、新入生が来日するたびにトイレが汚くなっていたのを思い出します。イラストや多言語対応のポスターで周知しても、なかなか母国での使い方のくせが抜けないようです。

【その他】飲食店に長時間居座り、無断持ち込み

2013年12月、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本へ来る目的の一つに「食べ物」をあげる人は非常に多いでしょう。

憧れの日本での食事、写真に撮ったり、友達とおしゃべりしたり。さぞかしお酒も進むでしょう。

しかし、人気店であればあるほど、滞在を2時間までなどど客にお願いしている店も多いですよね。時間制限の説明を受けても、酔ってしまっているとつい時間を忘れて大騒ぎしてしまう外国人もいます

また、飲食物を持ち込んだり、人数分の料理の注文をせずに長居をする人もいて、迷惑している店もあります。

ビールで乾杯する人々の手

【 マナートラブル事例 】

【観光】①撮影/接触禁止無視、②予約無断キャンセル、③入浴マナー違反、④備品持ち去り

【公共の場】⑤ゴミポイ捨て、⑥電車で騒ぐ、⑦路上飲食、⑧列に並ばない、⑨路上喫煙

【その他】⑩ゴミ出しルール違反、⑫トイレ使用マナー違反、⑬飲食店に長時間占拠

インバウンド増加が原因?マナートラブルが起こる理由

新型コロナの流行以降、マナーの悪い外国人に出会うことが減ったように感じます。それは、単純に外国人観光客が激減したことによるものかもしれません。しかし、根本的に問題が解決したわけではないのでマナー問題はいろいろなシチュエーションで発生し続けているのです

訪日外国人を増やすという政策は日本経済を一時的に盛り上げたかもしれません。しかし、その外国人を受け入れる現場の仕組みづくりは泥縄だったのではないでしょうか。受け入れ態勢が整わないまま、現場任せではた目には無計画に外国人を呼び込んでいた時期があったように感じます。

訪日外国人数が落ち着いた今こそ、マナートラブルが起こる理由を考えるべきだと思えてなりません。

「お客様は神様」という過剰サービスが過剰なマナー違反を生む

私は特定の宗教は持ちませんので、神様の概念が正しいかはわかりませんが。神様がモンスタークレーマーだったというのは聞いたことがありません。ワガママで無茶ぶりをし、お金さえ払えば何をしてもいいと考えている、そんな存在が神様であろうはずがないと思うのです。

日本のサービスは世界一だと、多くの外国人が褒めそやしてくれます。しかし、本当のサービスは客にへりくだり、客の奴隷になることではないのです。「お客様は神様」という言葉が独り歩きをしている気がします。過剰なサービスを求める客が増えているのではないでしょうか。

そんな過剰サービスしているうちに、お客様はエスカレートします。そして、お客様はモンスターになり、いつのまにかマナーにそぐわない行動をしてしまいます。サービスはホスピタリティであるべきで、人を増長させるものであってはならないのです。

客と店員の立場を人形で表現

日本語表記が理解できていない

日本語学習者ならともかく、外国人観光客は日本語が全く理解できない人がほとんどです。ましてや、文字だけの注意喚起がされていても全員が読むでしょうか?内容をしっかり読んで実践する人はごくわずかです。

じゃあ、英語の表記にすればいいのでは?と思われるでしょう。それは「外国人=英語話者」という先入観からくるアイディアですよね。英語が理解できる外国人ばかりではありません。母語のみしか理解できない外国人も多いのです。

都市部では多言語対応の案内や看板も増えてきたように感じます。しかし、地域によっては対策は手つかずのところがあるのが実態です。

わからないとジェスチャーする外国人の画像

文化の違いに気づいていない

日本人にとっては当たり前のことも、世界水準では当たり前でない可能性もあります。特に、先ほどご紹介したトイレの使い方や入浴マナーは文化や習慣の違いによる側面が大きい部分です。

日本は湯船と洗い場が別々になっていますが、海外ではまれです。よくある浴室のタイプは、バスタブが体を洗う場所を兼用しています。そもそも湯船につからずにシャワーだけで済ます国もあります。入浴の方法がわからないのも仕方ないことかもしれません。

また、食事中のゴミは床に捨てる文化の国もあります。

私の体験をお話しします。ある中国人学生が日本語学校の教室内でひまわりの種を食べていたときのこと。おもむろに殻を床に捨て始めたのです。私は驚いて注意!「なにしてるの?」と。

しかし、彼女の話では中国ではそれがマナーだということです。皿の上には食べ物以外は戻してはいけないからだそうです。

彼女らにしてみれば、自国のやり方をそのまま日本でもしているだけ。特にマナー違反だとは思っていません。日本のやり方と異なっている部分が大きければ大きいほど目につきます。その部分が、日本人にとってのマナー違反に見えてしまうのです。

ルールが存在することに気づいていない

これは日本側の問題でもあります。ルールがあることすら知らなければ、気をつけることもできませんよね。

情報共有し、周知することができていなければマナー違反があっても文句は言えません。その地方や店独特のルールであればなおさらのこと。しっかり説明しないといけませんね。

【 マナートラブルが起こる理由 】

・「お客様は神様」という過剰サービスが原因

・日本語表記・表示が理解できていないのが原因

・文化の違いが理解できていないのが原因

・ルールが存在することに気づいていないのが原因

研修サービス「ALOTE(アロット)」でダイバーシティ企業様向け研修

弊社の多国籍キャリアアップ研修「ALOTE」では、「外国人労働者指導」を含めた多国籍キャリアアップ研修を行っております。

外国人採用を積極的に行っている企業様、外国人の部下をお持ちの社員様、外国人社員様、にぴったりの研修をご準備しております。

  • 外国人を部下に持った指導役の社員様向けのメンター研修。
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上記の研修を、貴社向けの個別カスタマイズをしてご提供いたします。

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トラブル回避の成功事例<京都市のマナー啓発の取り組みから>

京都には毎年多くの外国人観光客が訪れます。その観光客の国籍・出身地は様々。京都で実際に行われたマナー・ルールの啓発の取り組みの成功事例をご紹介します。みなさんのお困りごと解決のヒントになるかもしれません。

(参考:京都市情報館「外国人観光客へのマナー啓発の取組等について」

【成功事例】ルール・マナーの多言語表記やイラスト表記

祇園町南側地区での取り組みをご紹介します。交通高札に交通ルールをイラストと多言語表記で説明し、周知活動を行っています。また、マナー啓発看板を設置し、舞妓さんへの接触禁止と道端座り込みへの注意喚起などを進めています。京都女子大学生活デザイン研究所などと協力し、オリジナル祇園しおりを配布。看板と併せて効果を見込んだ活動を実践しています。

錦市場では、食べ歩き禁止の掲示物をイラストと英語・中国語で表記しています。各店先に掲示することで、目に留まりやすくしています。

【成功事例】解説動画やリーフレット作成

看板だけでなく、動画作成も効果を生んでいます。YOUTUBEであれば、外国人の視聴数も大勢見込めます

京都市【産業観光局観光MICE推進室】では、英語・中国語版と日本語版の二つの動画を公開しています。

https://www.youtube.com/watch?v=sWDB03uk7qU&feature=youtu.be(英語・中国語)
https://www.youtube.com/watch?v=HqUf8y9IObQ&feature=youtu.be(日本語)

その他にも、中国人留学生による中国人観光客向けリーフレット「京都の旅」を発行しました。留学生が作成に携わるのは珍しいですが、自国民のことをよくわかっているのでいい取り組みですね。

【成功事例】ポイ捨て対策:ゴミ箱設置場所マップを作成し周知

(参考:京都市情報館「外国人観光客へのマナー啓発の取組等について」

嵯峨嵐山地域では、「嵐山ゴミ箱マップ」を作成しています。

ポイ捨てが発生する原因の大きなものに、ゴミ箱の設置場所がわからない、というのがあります。そもそも日本には公共の場所のゴミ箱が少ないのです。

オウム真理教のテロ事件以降、街中のゴミ箱の多くが撤去されてしまいました。ゴミ箱に危険物や爆発物が仕掛けられる可能性があるためです。オリンピック開催の時期も駅からゴミ箱が撤去されたので記憶に新しい方も多いでしょう。

日本のゴミ箱は中身が見えないよう半透明のものが多く、細かく分別するようになっています。ビン・カンのゴミ箱に爆発物が仕掛けられたら、爆風とガラス片などが飛び散り大惨事になってしまいます。

そういった理由からゴミ箱を設置できず、ゴミ箱がないからポイ捨てが増える、という現象が起きているのです。外国人観光客ではなおさらゴミ箱がある場所がわかりにくいでしょう。

嵐山のゴミ箱マップは観光マップとゴミ箱マップを両方兼ねています。観光客にも役に立つ情報提供なので、受け入れやすい取り組みですね。「この場所で買い食いしたら、一番近いゴミ箱はここ」と移動経路を考えてもらえます。

【 トラブル回避の成功事例 】

・ルール・マナーの多言語表記やイラスト表記

・解説動画やリーフレット作成

・ポイ捨て対策:ゴミ箱の設置場所を周知

企業単位、チーム単位でできるマナー啓発対策

外国人のマナーを手厚くフォローする必要はあるが、差別につながらないよう注意

マナー啓発を社内で行うときにも注意は必要です。外国人だけを指導のターゲットにして集中攻撃をしないようにすることです。

日本人であれば言わなくてもわかる常識的なマナーばかりかもしれません。自然とマナー啓発は外国人中心になりがちでしょう。しかし、今までのマナー違反の事例を見てきて、どうだったでしょうか。日本人のマナー違反がゼロだと言い切れるでしょうか?

私は日本人ですが、同じ日本人のマナーの悪さに辟易することもあります。くちゃくちゃ音を立ててモノを咀嚼する「クチャラー」。食事前におしぼりで顔や首を拭いたり、食後に音を立ててつまようじを使う人。人前で盛大にゲップをしたり、鼻を何度もすする人。

マナーが悪いのは外国人だけではありません。注意喚起するのであれば、全員を対象にするべきですよね。

①なぜそれが必要なのか、ルール・マナーを守る理由を説明する

ただ上から命令して「ルールで決まっているから」と押し付けるのは反発を生みます。上からの押し付けでは、納得して従ってくれるとは限りませんよ。「なぜ?」「どうして?」という疑問に対して明確に理由を説明すれば、外国人も理解してくれるでしょう。

例えば、喫煙場所以外での喫煙をしている社員がいたら、どう説明すればいいでしょうか?説明するときは、それをするべき必然性、しない場合の損失などをわかりやすくすると効果的です。

喫煙の場合でしたら、喫煙場所以外で喫煙するとどうなるか。

①路上喫煙で罰則が適用されることもある、②火事になる恐れがある、③副流煙の被害が広がってしまう、など。③は呼吸器疾患や妊婦など、具体例を挙げると想像しやすいでしょう。

②業務評価の項目に追加

ルールやマナーを守ることは外国人にしてみるとハードルが高いかもしれません。もしマナーを守ることが評価の一つになりえるとしたら、業務評価に追加するのも一案です。

業務内容の他の部分ができているのであれば、外国人として評価するポイントは何か。みなさんの会社が、ルールやマナーを重視されているのであれば、評価項目として明示することで社員のマナー啓発になります。

③掃除などのペナルティ

これは導入するかは賛否両論かと思いますが、実際に導入した企業もあります。社員全体を対象としてマナーアップキャンペーンを行って、チーム対抗とします。最下位のチームが掃除などの奉仕活動をするというものです。

欧米には、刑罰の一環として社会奉仕活動を行わせている国もあります。ペナルティは刑罰とは違いますが、掃除をすることで気持ちも新たになるのであれば、試してみる価値はありそうです。

④罰金を徴収するなら、環境美化などに活用

どうしてもマナーが守れず周囲に迷惑をかけてしまう人はなくならないかもしれません。で、あれば、罰金を徴収するという手段もあります。これは飽くまでも最終手段ですが。

但し、この徴収した罰金は部署の見えるところに貯金箱を置くのがポイントです。みんなの見えるところで徴収することです。罰金は肩書や国籍、雇用形態問わず徴収し、えこひいきなどはないように気をつけてください。

一定額集まったら環境美化に使用するのがおすすめです。他にも、募金などの社会貢献への用途を決めておくとしこりが残りにくいでしょう。

【 企業/チーム単位でできる対策 】

※外国人を手厚くフォローする必要はありますが、差別に繋がらないよう注意してください。

①なぜそれが必要なのか、ルールやマナーを守る理由を説明する

②業務評価の項目に追加

③掃除などのペナルティ

④罰金徴収して環境美化に活用

まとめ

いかがでしたか。今まで書いてきたこと、外国人のことだけだと思ったでしょうか。

私は日本人にも多くのマナー違反があると思い当たりました。それが原因で外国人を遠ざけてしまっている事例も多いのではとも感じました。それはとても残念なことですよね。

もっと外国人に日本を訪れてほしい。そして、日本の素晴らしさを知ってほしい。

それであれば、日本人がまず「マナー」とは何であるかを正しく認識し、外国人にも周知する必要があります。それは、国単位ではなく、企業単位、チーム単位でもできるはずです。

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弊社の多国籍キャリアアップ研修「ALOTE」では、「外国人労働者指導」を含めた多国籍キャリアアップ研修を行っております。

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Haruna Ozawa

氏名: 小澤春奈(OZAWA HARUNA) 東証一部上場の商社にて営業、IR広報で社外対応の実績を積んだ。 その後、「来日した外国人を教育を通して支援したい」という想いから、都内日本語学校に転職。ミャンマー校の立ち上げ、現地校の指導計画立案/実施などの現場の指導体制を整え、帰国。日本・ミャンマー現地合わせて延べ5200人の外国人留学生の現場責任者として指導にあたり、多くの学生を日本社会に送り出す。 日本語学校に8年間勤務し、退職、その後インマイブック株式会社に入社し、教育事業部部長に就任。2021年、多国籍キャリアアップ研修サービス「ALOTE」を立ち上げ、現在に至る。

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