ケンカに聞こえる?中国人の話し声の秘密 世界の国々③

ALOTE事業責任者の小澤春奈です。こちらでは<外国人と働く>をテーマに執筆しています。

外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、様々な話題についてお話ししていきます。

今回は「中国人の話し声、自己主張のしかた」についてです。この記事を読めば、中国人の話し声が大きい理由がわかります。また、その話し声で中国人が何を伝えたがっているのかがわかります。

日本の電車に乗った外国人たちがびっくり!

電車内で周りを気にする人々これは中国人に限らず、来日した多くの外国人から聞かれる意見です。

「日本の電車ってどうしてこんなに静かなの?」

「電車の中はしゃべっちゃダメなの?」

「日本人は友だちとおしゃべりもしないくらいマジメなの?」

いいえ、違うんです!日本人もおしゃべりは嫌いじゃありません。ただ、日本は「控えめで空気を読む」ことを貴ぶ文化だからです。

対して、中国で重視されるのは「自己主張する」こと。他人の意見を聞くことよりもまず先にするのが、自分の意見を主張することなのです。時には身振り手振りを交えながら、自分の言いたいことを表現するのが中国人です。

中国の電車内では・・・

実際に私が10数年前に経験した中国での出来事です。当時、上海のピカピカの地下鉄で中国人の会話を耳にして実感しました。最新デザインの都会的な車内であっても、中国人の話し声は絶好調。女三人寄れば姦しい、とは言いますが、老若男女、みんな元気な話し声でした。時にはケンカしているような激しい言い合いも聞こえました。

声の大きさに個人差はあるとは思いますが、自己主張の一つが声の大きさにも繋がるようです。私の知っている中国人の多くは声が大きめ。いえ、正しくは、中国語を話しているときの彼らは声が大きめな印象です。不思議なことに、日本語を話しているときは声が小さくなるようです。それは外国語を勉強している人あるあるかもしれませんが。

値切るときの勢いそのままの外交交渉

イエスとノーをはっきり主張する私が中国人の交渉手腕を最も実感したのは、買い物のときです。中国語が苦手な私ですが、それ以上に勝手がわからなかったのは値切り交渉でした。

中国では、大型百貨店やスーパーなどを除き、値切るのが前提の市場が多数あります。日本人なので足元を見られてしまったのもありますが、ここでの値切り交渉がなかなかの強敵。本当に欲しいものがうまく値切れなかったり、反対に「もう要らない」と諦めたら希望金額まで下げてもらえたり…。

この値切り交渉で重要なのは「自己主張」なのだと思います。私はこれがほしい、私はその値段ではいやだ、そのぶつかり合いなのです。日本人の相手を察する文化とは真逆に近いですね。イエス/ノー、はっきり言ったもの勝ち。主張する能力が評価される文化が中国にはあります。

それは中国政府の外交交渉でも見て取れると思います。中国の強気な交渉術で、日本政府が煙に巻かれたのは一度や二度ではないでしょう。巧みに自己主張を通し、自国の存在感を示す。それが中国人の交渉術でもあるように私には思えます。値切り交渉とはスケールは異なりますが、手法はあまり変わらないのかもしれません。

中国人とのコミュニケーションでは、これに注意

中国人は利己的だと決めつけない

今までもお話ししてきたように、中国では自己主張が評価されます。主張と主張が時には衝突することがあっても、なおです。その主張同士のぶつかり合いが起こったら、さらに激論を戦わせるのが中国人のやり方です。それが中国流のコミュニケーション。自己主張することを否定しないでください。

空気を読めと強制しない

ハイコンテクスト、という言葉に聞き覚えはないでしょうか?日本語は重度のハイコンテクスト文化だと言われています。

コンテクスト(context)とは、「言語外の情報」とも呼ばれます。言葉で表現されている情報以外(文脈理解)の度合いをいいます。つまり、メッセージを伝えるときに、言葉以外の情報がより重要になるのが、ハイコンテクスト。その反対がローコンテクストです。

日本が典型的なハイコンテクスト文化であるので、つい中国人にもそれを強要してしまいがち。「相手の気持ちを察して」。「譲り合って」。「空気を読んで」。でも、仕事の現場でそれを強制しすぎないほうがいいのではないでしょうか。

外国人がいるチームでお互い主張すべきことは主張し、考えを深めていく。その過程でコミュニケーションを深め、信頼関係を築いていくことの利点を再確認してみましょう。

けんか腰にならない

先ほど書いたように中国人は話し声が大きめ、もともとの声が大きい人もいます。早口で畳み込むように話す人もいるので圧倒されてしまう日本人も多いかもしれません。

しかし、決してケンカをするつもりの中国人ばかりではないはずです。つい興奮してしまい、ケンカしているように話す癖がついている中国人もいます。そんな時はケンカ腰にならないように一呼吸おいて話してみてください。売り言葉に買い言葉にならないようにご注意くださいね。

 

中国人とのコミュニケーションでは・・・

①利己的だと決めつけない

②空気を読むことを強制しない

③けんか腰にならない

 

まとめ

声の大きい中国人が目立つので、「中国人は怖い」「話し方が下品」と思われてしまうかもしれません。しかし、中国人には自己主張しなければならない背景があったのです。

自己主張ができるということは、自分の意見を周囲に伝える力があるということ。それもひとつの能力であり、個性です。

チームメンバーとしての適材適所を考えて、活躍の場を与えられるような環境を作りましょう。

 

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Haruna Ozawa

氏名: 小澤春奈(OZAWA HARUNA) 東証一部上場の商社にて営業、IR広報で社外対応の実績を積んだ。 その後、「来日した外国人を教育を通して支援したい」という想いから、都内日本語学校に転職。ミャンマー校の立ち上げ、現地校の指導計画立案/実施などの現場の指導体制を整え、帰国。日本・ミャンマー現地合わせて延べ5200人の外国人留学生の現場責任者として指導にあたり、多くの学生を日本社会に送り出す。 日本語学校に8年間勤務し、退職、その後インマイブック株式会社に入社し、教育事業部部長に就任。2021年、多国籍キャリアアップ研修サービス「ALOTE」を立ち上げ、現在に至る。

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