在留8年若い中国人の仕事観とは?ロックダウンの影響が不動産業界にも?外国人インタビュー企画①

初めまして。ALOTE事業責任者の小澤春奈と申します。<外国人と働く>をテーマに執筆しています。

外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、様々な視点からお話ししていきます。

今回は新企画として「外国人へのインタビュー」を記事にしました。今回は中国出身の女性、方琪さんにインタビュー形式でお話を聞きました。

この記事では、ゲーム会社勤務と不動産管理の二足の草鞋を履く彼女の仕事での苦労話、お金が大事と話す今どきの若い中国人の価値観についても聞いてみました。

日本で生活する外国人労働者の本音がわかる興味深い内容になっています。是非最後までお読みください!

中国出身で日本語が堪能な方琪(ホウキ)さん

インタビューの様子。左がホウキさん

出身地は歴史ある街、浙江省

私は中国の浙江省出身です。華東地区にある海の近くの省ですね。

年齢は27歳、来日8年の日本通

ふふふ、年齢は秘密じゃなくて大丈夫ですよ。

私は1995年生まれだから、今、27歳です。2014年に留学生として日本に来ましたから、もう8年間日本で生活しています。

職業はダブルワーク

中国のゲームの会社で働いています。事務の仕事をしていますよ。それから、寮の管理の仕事もしています。これは母の手伝いです。

デスクトップパソコン

趣味はゲームと『小紅書』

私の趣味はまずゲームですね。5人ずつのチーム対戦をするゲームアプリが好きです。中国の若い人はみんなゲーム好きなんじゃないですか?

それから、『小紅書』(Xiao Hong Shu)が好きですね。『シャオホンシュー/RED BOOK』って呼ばれたりするアプリなんですが、すごく人気があります。メイク、ファッション、インテリア、旅行、音楽、何でも動画や写真を撮って投稿します。Instagramみたいに使うんですが、『小紅書』で紹介された商品を売買できる機能もあるんです。楽しいですよ。

中国版Instagram『小紅書』とは?

小紅書は、RED BOOKやレッドアプリと呼ばれ、中国版のInstagramとして日本でも注目されています。2013年にリリースされ、もともとは化粧品の口コミアプリとしてスタートしたこともあり、現在のユーザー男女比は80%以上を女性が占めています。

Instagramと違う点は、小規模ではありますが、EC機能が搭載されており、商品の購入や体験ができます。また、アリババ傘下の『淘宝』などへのリンクができるようになりより便利に進化しています。

新たな購買ニーズを発掘することができるSNSとして、中国内外からの熱い視線が集まるアプリです。

両親は日本在住、妹は中国の大学生

家族は、お父さん、お母さん、妹、叔父さん、それから私の5人です。両親は日本にいます。妹は中国の大学に通っていて、叔父さんも中国に住んでいます。

みんな一緒に暮らせないのは残念ですが、両親が日本にいるのは本当に嬉しい。他の留学生と違って家族に会えないという寂しさは全然ありません。中国にいたらなかなか会いに行くことができないから、寂しいと思います。私にとって、家族の近くで生活できることはとても大切なことです。

流暢な日本語会話、JLPTはN2

私の日本語は、まだまだですよ。

実は、JLPT(日本語能力試験)のN1を受けてみたんですが、ダメでした。本当に難しい。日本で生活していて会話は上手になりましたが、試験には合格できませんでした。

仕事で使う言語にも新型コロナの影響

ゲーム会社の事務の仕事は、中国語だけです。同僚はみんな中国人ですから、日本語は使いません。

本当は寮の管理の仕事でも、中国人を相手にしていたので最初は中国語ばかりを使っていました。でも、新型コロナのせいで中国人だけではお客さんが足りないので・・・。今は寮の管理の仕事では、日本語を使います。中国人相手に案内するときは中国語ですけど、最近は他の国の留学生に案内しますからその時は日本語が役に立ちますね。

一番使う日本語の言葉は「すみません」

好きな日本語は特にないんですけど、一番よく使うのは「すみません」です。謝るときじゃなくても、いつでも「すみません」は使いますね。

日本に来たばかりのころは、日本語が上手じゃなくてあまり話せませんでした。今は、自然に「すみません」を使って会話をします。日本人みたいですよね。

本業はゲーム会社勤務、副業は不動産管理のダブルワーク

ダブルワークの収入は手取り28万円

まずはゲーム会社の仕事について。私が事務をしているのは、上海のゲーム会社です。もうすぐ日本にも会社を設立して、ゲームを発売します。私は事務の仕事なので、ゲーム制作をしているわけではないです。

次に、寮の管理については、副業です。新しく部屋を探している人に紹介したりする仕事です。私がFacebookとかのSNSで、部屋を借りたい人を探します。もしたくさん部屋が空いたままだと、大変です。損が出ちゃうから、早く借りる人を探さないといけません。給料は歩合制で、たくさん部屋が埋まっていると給料もたくさんもらえます。

両方の給料を併せて、手取り28万円くらいですよ。

ゲーム会社のイメージ画像

副業を始めた理由、母を助ける孝行娘

寮の管理の仕事を始めたのは、母を手伝うためです。母も私と一緒で日本での生活は長いですが、日本語はあまり上手じゃないので私の助けが必要です。母は日本語の意味は分かるけど、自分で話すのが苦手なんです。

仕事での苦労、不動産管理はストレス

うーん。あまりない・・・考えつかないです。

でも、大変なことと言えば、寮の管理がちょっとストレスです。満室のときならいいんですが、突然たくさんの人が部屋を出てしまうことがあります。「え?どうして?何がいけないのかな?」と心配になります。

この寮は中国の不動産会社から借り上げているから、空室が多いと家賃がもらえなくて困るので、部屋を借りる人をいろんな方法で探します。うまくいくこともあるけど、ずっと部屋が空いてるとすごくストレスを感じてしまいます。

家や車購入のためにも大切なのはお金

将来のために必要なのは、やっぱりお金

私が大切にしていることは、お金です。お金は大事です。日本で生活するために、家、車、いろいろなものを買うためにお金が要りますからね。

だから、仕事も大事です。しっかりお金を稼いで、しっかり生活していきたいですね。

堅実な将来設計、資産としての投資

でも、年に何回か旅行もしたいし、たくさん買い物もしたい。そういう楽しいこともたくさんした上で、将来のためにしっかり生活のことを考えなくちゃと思っています。仕事だけじゃなくて、遊びだけじゃなくて。

練馬の3LDKマンション購入予定

実は、今、練馬に3LDKの部屋を買おうと思ってるんです。5年後、10年後も日本で生活していたいです。手付金も払います。日本で生活するための家ですから、とてもいい物件を選びましたよ。でも、この部屋(マンションの一室)に最近引っ越してきたばかり。新しい3LDKの家はちょっと広すぎるので、誰かに貸すことも考えています。

結婚はプロポーズ待ち、出産するなら双子を希望

彼氏はいますよ。不動産会社で働いている人と付き合っています。その彼氏と結婚しようかと思っているけど、私からは(結婚してとは)言わないですよ~!!私の心はプリンセスなので、彼氏の方からプロポーズしてくれるといいな。その時を待っています。

子どもは双子がほしい。男の子と女の子の双子なら最高ですね。それが今の夢ですね。

ウエディングドレスのイメージ画像

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このインタビューで筆者が感じたことは、中国人の「親族の繋がりの強さ」「経済観念の確かさ」です。

日本で長年生活をしていても、中国人としてのアイデンティティはしっかりと持っているのが印象的でした。20代後半の彼女も家族と過ごすことを大切にしていましたし、日本での生活を続けていられるのも両親の支えがあってこそでしょう。

また、若い世代としての消費の活発さはあるものの、資産となるモノへの消費を強く考えている印象です。爆買いのような消費をしていた中国人のイメージと異なる部分もあるのではないでしょうか。

みなさんが思い描いている中国人への仕事での接し方も変えていかなければならないかもしれませんね。

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氏名: 小澤春奈(OZAWA HARUNA) 東証一部上場の商社にて営業、IR広報で社外対応の実績を積んだ。 その後、「来日した外国人を教育を通して支援したい」という想いから、都内日本語学校に転職。ミャンマー校の立ち上げ、現地校の指導計画立案/実施などの現場の指導体制を整え、帰国。日本・ミャンマー現地合わせて延べ5200人の外国人留学生の現場責任者として指導にあたり、多くの学生を日本社会に送り出す。 日本語学校に8年間勤務し、退職、その後インマイブック株式会社に入社し、教育事業部部長に就任。2021年、多国籍キャリアアップ研修サービス「ALOTE」を立ち上げ、現在に至る。

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