簡単にできるメモの取り方のコツ!アイディア整理で仕事がはかどるメリットも!仕事のコツ③
初めまして。ALOTE事業責任者の小澤春奈と申します。
<外国人と働く>をテーマに執筆しています。外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、様々な視点からお話ししていきます。
今回は「メモの取り方」についてお話しします。
この記事を読めば、メモの取り方の基本のポイントについて理解できます。また、取ったメモの活用法とメモを取ることのメリットについても解説しています。
是非、最後までお読みください。
メモを取る目的とメリット4選
社会人にとってメモを取る機会は多く、ひとつのビジネススキルと言っても過言ではありません。会議、打ち合わせ、研修、指示を受けるときなど、その場面でメモを取ることはできても、何のためにメモを取っているのか、理解できている人はそこまで多くないのでは?
メモを取る行為は実はたくさんのメリットがあるのです。そのメリットを最大限活用できるように意識していきましょう。
備忘録
リモートワークが増えた近頃のお仕事事情ではありますが、口頭でのコミュニケーションがゼロという職場は稀有ではないでしょうか。むしろ、仕事上の情報のやり取りの多くを会話が担っている場合も少なくないはずです。
上司からの指示を受けたり、会議で発言したり、チームメンバーと段取りの相談をしたり。
しかし、どんな重要な情報でも忘れてしまっては何の意味もありません。口頭で交わした重要な情報は、まさにこの瞬間に記録しなければ、忘れ去られてしまうかもしれません。
そんなときに役に立つのがメモ。備忘録(びぼうろく)、忘れないように記録するのに一役買ってくれます。そのために、口頭でのやり取りの重要事項をわかりやすくメモに残して記録すれば、次にメモを見たとき即座に正しい情報を思い出させてくれます。
人は覚えたことの70%近くを翌日には忘れてしまうと言われています。人間の記憶は当てにならないということを肝に銘じて、些細な情報でもメモをする習慣をつけておきましょう。
情報の整理
相手の発言を一言一句書き留めている人がいますが、それはメモではなく、ただの口述筆記。言ったことを機械的に書いているだけです。
メモの本質は、物事の要点(ポイント)を理解し、整理して記録することです。どの情報が重要で、どの情報は省略していいのか、的確に取捨選択し、要約する力が求められます。
メモの達人は「物事を要約する力」「本質を理解する力」がある人なのです。メモ自体は誰にでもできることですが、わかりやすくまとめるのには、少々練習が必要かもしれません。
しかし、最初は上手くメモができなくても、「要点を理解し整理する練習」という意識で取り組むことで、すぐに上達が見込めます。メモ自体は日常的な行為ですが、「情報の整理」を意識するのとしないのでは、数年後に圧倒的な違いになります。
ビジネスの基本とも言える「相手の話の意図をつかむ」スキルは、メモで養われると言っても過言ではありません。日々の仕事の質を高め、周囲から一目置かれる存在になることも可能なのです。
情報の共有・アイディアの可視化
ビジネスにおけるアイディアは宝の山です。しかし、その宝であるアイディアは、望むときにいつでも湧き出てくるわけではありません。
頭の中で言語化できていないアイディアを、「可視化 = 見える化」できるのもメモのメリットです。いつでも簡単に書き留められるメモは、ふとした瞬間のアイディアの記録にうってつけです。
日々の小さな気付きや、些細な思い付き。そうしたアイディアの種を頻繁にメモしておくことで、後々の画期的なアイディアに発展させられます。アイディアの多くは一気にまとまって湧き出ては来ず、小さな発見の積み重ねから生まれるのです。
普段からアイディアをメモする習慣がついていれば、いつか大きな成功に結び付く画期的なアイディアにつながるかもしれません。
その際のメモのコツとしては、無理やり文章だけで記録しようとしないこと。単語やイラスト、思い浮かんだ情景、アイディアに至るまでの経緯、何でもいいのでメモしておくことです。頭からイメージが抜けていかない間にメモに残すことが重要です。
アイディアをまとめるためのノート術は、「9マス発想法(マンダラチャート)」がおすすめです。中心にメインテーマを記入し、そこから発想を広げていき、全ての9マスを埋めるというもの。野球の大谷翔平選手も目標設定の際に活用したと言われています。
詳しいメモの仕方は、 < アイディアまとめにおすすめのノート術(9マス発想法/マンダラチャート)>をご覧ください!
周囲からの信頼獲得
下の画像の2名の女性を見比べてみてください。
同じように話を聞いている態度ですが、左側の女性は頬杖をつき、右側の女性はメモを取ろうとしています。どちらの女性が好印象かという問いに対し、ほとんどの方が右側と答えるのではないでしょうか。
このように、メモを取るという行為には、相手からの信頼を得る効果があることがご理解いただけたかと思います。メモを取っている人は、真剣に話し手の言葉に耳を傾け、学び取ろうという姿勢に見えるからです。
反対に、会議や商談の場で全くメモを取らないのは、相手に不信感を抱かせてしまい、その後の関係にマイナスの影響を与えてしまう恐れも。聞き手がメモを取ることで嫌な気持ちになるような話し手はほとんどいないので、相手の話を深く理解するためにも、積極的にメモの力を利用しましょう。
そして、真剣にメモを取っている聞き手の姿を見た話し手は、自ずと話に力が入り、「もっといい話を聞かせてあげよう」と価値の高い情報を出してくれる可能性もあります。コミュニケーションスキルとしてもメモの効力は発揮されるんですね。
この一見単純に見えるメモを取るという行為がビジネスで重要視される信頼に結び付くのであれば、活用しない手はないでしょう。
メモを取る際の3つの基本ポイント
タイトル、日時、相手の名前を書く
メモの冒頭に必ず書いていただきたいのが、①タイトル、②日付、③相手の名前、の3点です。
タイトルで「何について書かれているメモか」、日付と相手の名前で「いつ、だれと話したときのメモか」が、後から見返した時でも瞬時に判別できます。
メモは、後日見直した時に何の情報について書かれているかがすぐに判断できなければ、情報を取り出すのにストレスが発生してしまいます。情報管理を効率的に行うためにも、この3点の情報は必ずメモの一番最初の同じ場所に固定で書いておくことをお勧めします。
テンプレートのように、いつも必要な情報が、あるべき場所に記録されていることが、わかりやすいメモの最低条件です。
余白を多めにとる
上記の図を見てわかる通り、メモは見開きページをゆったり使い、余白多めで書くことがポイントです。
この余白はコメント欄として活用し、あとで思い浮かんだアイディアや重要だと思った事柄を追記するのに便利です。
メモは書いただけで終わりではなく、そのメモを見返すことを前提に書き込むものです。あとでそのメモを基に、様々なアイディアが生まれるネタ帳でもあるのです。そのため、次のビジネス展開につなげるためにも余白を最大限に使いましょう。
メモは一冊で運用する
メモを書き留めていて気を付けなければならないのが、メモ帳が複数に分散してしまうこと。
メモを内容によって使い分けていると複数のノートを持ち運ばなければならず、非効率です。また、メモを取るシチュエーションは突然訪れるもので、複数のノートの中から適切なものを瞬間的に取り出せるとは限りません。
一冊で管理していれば、自然とメモの内容は時系列順になるため、探す手間が省けます。後で見返すことを念頭に置いて、メモは一冊に絞ることをお勧めします。
メモをワンランク上に格上げするテクニック7選
新しい見開きページから書き始める
一見、「まだ余白が残っているのにもったいない」と感じるかもしれません。
しかし、見開きページの中に全く関係のない情報を書き足してしまうと、情報がごちゃ混ぜ状態になり、あとから必要な情報を探しにくくなってしまいます。
先ほどの「メモの基本ポイント」でもお話ししましたが、余白は多めに、あとから情報を書き足す余裕を残しておくことが重要です。メモは情報整理のためのものですから、適切に分類し管理しなければメモの意味がありません。
見開き1ページに、メモ1回分。新しいメモは、気持ちを新たに次のページから書き始めましょう。
ひらがな、カタカナも使って素早くメモ
メモを見返すのは自分自身ですので、自分がわかるように素早く書くことが大切です。
相手が話している内容で聞き取れなかったり、漢字や英単語が咄嗟に思い出せなかったら、ひらがなやカタカナでメモしておきましょう。難しい用語を正しく表記しようと四苦八苦している間に、耳から入ってくる情報は次から次へと頭から出て行ってしまいます。
また、当てずっぽうで書いて、漢字の間違いや英単語のスペルミスをしていたら二度手間になります。
ひらがな、カタカナでもいいので何となくメモできていれば、後からインターネットで調べたり、周りの人に聞くこともできます。
まずは、キーワードを素早く書き留められるように練習しましょう。
5W3Hをオウム返しで確認しながらメモ
メモの達人は、丸写しや会話の口述筆記をしているわけではありません。その場で行われた情報のやり取りの中から、重要な情報を取捨選択して、キーワードのみを書き留めているのです。
一言一句違えずに記録するのは素晴らしい技術ですが、メモに求められているのは「情報の整理」であり、「要点の理解」です。本当にメモが上手な人が会議の記録を取れば、議論の要点のみを的確にまとめ上げ、わかりやすい議事録がその場で作成できることでしょう。
そのキーワードとも言えるのが、5W3Hです。
- When(いつ):いつまでに行わないといけないのか
- Where(どこで):どこで行う仕事なのか
- Who(だれが):自分のみで行うのか、誰かと一緒に行うのか
- What(何):どんな仕事内容なのか
- Why(なぜ):なぜその仕事を行うのか
- How(どうやって):どうやって仕事を行うのか
- How much/many(どれだけ):どれだけの価格/数量なのか
- How long(どれくらいの間):どれくらいの期間で仕事を行うのか
これを上手に確認する方法が「オウム返し」で、相手の言葉をそのまま繰り返すことを指します。
相手の話をメモする際、黙って書き留めるのではなく、そのまま相手の言葉を繰り返すことで、自分と相手の認識のズレを防ぐ効果があります。
また、メモを取るのが追い付かない場合、書き留める時間を稼ぐのにも有効です。
【 オウム返しのメモの取り方 例 】
- 課長: 「明日の会議の資料のコピー、お願いできるかな?」
- 自分: 「はい、明日の会議の資料のコピーですね」(WHAT = 仕事内容)
- 課長: 「えっと、部数は20ね」
- 自分: 「はい、20部ですね」(HOW MANY = 数量)
- 課長: 「よろしくね。今日の13:00までにできるかな?」
- 自分: 「今日の13:00ですね。承知しました。」(WHEN = 期限)
キーワードとキーワードを矢印で整理
先ほどの5W3Hでキーワードを中心に書き留めたら、キーワード同士を矢印で整理してみましょう。
点の存在だったキーワードの関係性を、矢印でつなぎ線で表すことで、メモの内容を整理することができます。
コメントは吹き出しを使ってメモ
メモは後から見直して、自由にコメントをつけることで効果が倍増します。
自分の意見、疑問点、重要な情報、など、吹き出しを使ってコメントしていきましょう。
そのコメントによって、メモの中の情報に価値を加え、質の高いものに変化させることができます。
略語/記号を使ってメモ
素早くメモを残すためには、効率の良い表記の仕方を覚えるといいでしょう。
ほんの少しの文字数の違いですが、「良い」を「〇」と書くだけで、記入時間が短縮できます。
よく使う単語や、自分なりの略語/記号を決めて、メモを
些細なことのように思えますが、「会議」と「カイギ」という例だけを見ても、書くのにかかる時間はかなり変わりますよね。
自分の職場でよく使われる単語などは、自分なりの書き方を決めておきましょう。
そうすれば、一生懸命メモを取っていたら聞き漏らしてしまった…なんてことはなくなるはずです!
【 略語/記号 使用例 】
- 「ミーティング」→「MTG」
- 「疑問点、課題点」→「?」
- 「重要事項」→「★」
- 「良い」→「〇」
- 「悪い」→「✖」
読み返して気づいたことを色ペンで追加メモ
私は普段、メモを取るときは、黒のボールペンのみを使っています。メモを取る時点で特に色分けはしません。
理由は、メモを漏らさずに書き留めることが最優先だと考えているからです。色分けは二の次で、とにかく考えながら書きまくります。
しかし、メモを見返すときはペンを2本追加します。
「黒」の他に「赤」「みどり」の合計3色です。
メモを取っているときはすべて黒で記入します。
直後に重要だと思うところには赤で丸囲みや下線を書き入れます。
さらにみどりでコメントを入れるという方法で統一しておくと、後で読み返したときにとても分かりやすくなります。
【 ペンの色分け 例 】
黒……基本の色
赤……重要事項や緊急性の高いこと
みどり……自分の意見・疑問点・アイデアなど
ツール(アイテム)の活用例
ノートの種類やサイズ
メモ用のノートのサイズですが、手帳サイズかそれ以下をチョイスする方が多いかと思います。
もし、接客業などで「ポケットに入るサイズ」という制約がないのであれば、A4キャンパスノートサイズをおすすめします。
理由はふたつ。
- コピー用紙などのビジネス標準サイズがA4だから。
- たくさん書くスペースがあるから。
確かにメモはすぐに取り出せて、どこでも書けることが重要だと思われるかもしれません。
しかし、実際は持ち物の書類全般がA4サイズであるため、メモ帳がA4でも違和感はないはずです。かばんの中に入れていても、手帳のように厚みはありませんし、持ち運びに問題ないですよね。
使い勝手に関しては、「余白を多めにメモする」という原則から考えると、A4サイズくらいあれば余裕を持って記入できます。キャンパスノートであれば、手帳よりも安価ですのでその点でもメリットがあります。
是非一度A4サイズのメモ帳を試してみてくださいね。
議事録におすすめのノート術(コーネル式)
コーネル式とはアメリカのコーネル大学で開発されたノート術です。
コーネル式ノート術の特徴は、ページを大きく3つのエリアに分けて情報を整理する方法で、議事録などをまとめる場合におすすめです。
【コーネル式のメモの取り方】
- 下記のようにページを3つのエリアに分ける
- Aエリアには、箇条書きなどで簡潔にミーティングの内容をメモする
- Bエリアには、ポイントや重要事項、疑問点などを記入
- Cエリアには、ミーティングの要約・決定事項など、「まとめ」として記入
アイディアまとめにおすすめのノート術(9マス発想法/マンダラチャート)
ひとつのキーワードから連想されるものでマスを埋めていくことで、アイデアを広げていく方法です。
実際にアイディアを書き出してマスを埋めるという作業によって、ひらめきやすくなる方法で、多くの人が活用しているポピュラーなやり方です。野球選手の大谷翔平さんも、目標設定の際に活用しているそうです。
【9マスを使ったアイデアメモの取り方】
- 下記のように9マスを設定する。
- 中心マスに広げたいワードとしてメインテーマを記入する。(例:「外国人社員への教育」)
- 周囲のマスに、連想ゲームのようにアイデアを広げていく。(例:「ビジネスマナー」「接客日本語」など)
- 9マスを埋めた上でさらに広げていきたいキーワードがあれば、今度はそれを中心のマスに据えて、1~3を繰り返す。
ペン
ペンはお気に入りの書きやすいペンが一番です。
が、客先でメモをするときだけは、少し高級なペンも特別感があり、好印象です。
さらに、色は「黒」「赤」「みどり」の3色あると、あとからメモに追記するときに便利です。
デジタルメモツール
手書きのメモは、紙面に書いていく際の自由度が非常に高いため、基本的には手書きをおすすめしています。
しかし、全ての情報を無理に手書きにする必要はなく、適宜デジタルツールを使用して記録していくといいでしょう。
例えば、打ち合わせの際に先方が見せてくれた資料をスマホカメラで撮影する場合、プレゼンの様子を動画撮影で記録する場合などが考えられます。また、大量の文字の場合などは、入力の速度はタイピングに軍配が上がるでしょう。
手書きには手書きの、デジタルにはデジタルの、長所短所がありますので、臨機応変に使って自分のスタイルで記録できるといいですね。
もしデジタルツールで記録した場合、手書きメモにも保存先を書き留めておくと一元管理しやすく、おすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日常的にしているメモを取るという行為ですが、ちょっとしたコツでメモの価値は格段に上がります。
ビジネスチャンスに結び付けられるメモスキルを身につけて、より効率的なメモ魔になれるようにご自分に合う方法を探してみてくださいね。