「わかる日本語」「つかえる日本語」を使い分ける!外国人のための「仕事のにほんご」①【やさしい日本語記事】
みなさん、はじめまして。わたしは、小澤春奈(おざわはるな)です。わたしは、日本語(にほんご)の先生(せんせい)です。このページは「やさしい日本語」で書(か)いています。
日本にはたくさんの外国人(がいこくじん)が働(はたら)いています。でも、「日本人(にほんじん)のいっていることがわからない」、「仕事(しごと)の日本語は難(むず)しい」と思っていませんか。
このページでは、外国人のみなさんが仕事(しごと)で使(つか)う会話(かいわ)、ことばを教(おし)えます。JLPT(日本語能力試験)のN3くらいの日本語(にほんご)で簡単(かんたん)に説明(せつめい)します。
ぜひ、ぜんぶ読(よ)んでくださいね!
今日(きょう)は「わかる日本語(にほんご)、使(つか)える日本語」についてです。
これを読(よ)めば、「仕事(しごと)で必要(ひつよう)な日本語」がわかります。それから、「話(はなしの聞き方(ききかた)」を勉強(べんきょう)します。
外国人(がいこくじん)が苦手(にがて)<=むずかしいとおもう>日本語は?
日本(にほん)で生活(せいかつ)しているみなさんは、日本語が上手(じょうず)ですよね。日本語で買い物(かいもの)したり、電車(でんしゃ)に乗(の)ることもできます。
でも、苦手(にがて)<=難(むずか)しいと思(おも)う>日本語もありますよね。みなさんが苦手な日本語は何(なん)でしょうか。
仕事(しごと)の日本語は難(むずか)しい?【日本語に対する苦手意識】

この赤(あか)い四角(しかく)は、「日本に住(す)んでいる外国人(がいこくじん)ができない」日本語です。
上(うえ)のグラフを見ると、医者(いしゃ)、役所(やくしょ)、学校(がっこう)、仕事(しごと)で使(つか)う日本語ができないのがわかります。
毎日(まいにち)使(つか)わない日本語は、みなさん、あまりできません。
- 履歴書(りれきしょ)を書(か)く : 仕事(しごと)をさがすとき、会社(かいしゃ)に出(だ)す紙(かみ)。卒業(そつぎょう)した学校(がっこう)や前(まえ)の仕事(しごと)について書いてある。
- 仕事(しごと)の書類(しょるい)を読(よ)む
しかし、生活(せいかつ)の日本語はみなさんよくできますね。それは、毎日(まいにち)使(つか)うことばは、すぐに上手(じょうず)になるからです。
仕事(しごと)の日本語、「書(か)く」「読(よ)む」が難しい【不慣れなビジネス日本語の読み書き】
下(した)の絵(え)を見(み)てください。これは、さっきのグラフを絵(え)にして、簡単(かんたん)に説明(せつめい)したものです。

「できない = 難しい」日本語は、仕事(しごと)の日本語です。それから、「書く」「読む」が苦手(にがて)な人が多(おお)いです。
毎日(まいにち)同(おな)じことをしないと、そのことばをおぼえることができません。仕事(しごと)の日本語は複雑(ふくざつ)です。おぼえるのは、とても大変(たいへん)です。
「できる = 簡単」な日本語は、生活(せいかつ)の日本語です。「話(はな)す」「聞(き)く」は上手(じょうず)にできる人が多いです。
買い物(かいもの)、あいさつ、場所(ばしょ)や道(みち)を聞(き)くことは、日本で何回(なんかい)もしています。何回もくりかえすと、おぼえるのは簡単(かんたん)です。
外国人の日本語について、会社(かいしゃ)のひとはどう思(おも)っている?
外国人は自分の日本語に自信(じしん)がある【外国人の自己評価との乖離】
では、会社のひとは、外国人のみなさんの日本語をどう思っているでしょうか。
下のグラフを見てください。
青(あお)は「外国人が、自分(じぶん)の日本語はできている」という点数(てんすう)です。
オレンジは「会社のひとが、外国人の日本語はできている」という点数(てんすう)です。
外国人は自分の日本語が上手(じょうず)でよくできていると思っています。しかし、会社のひとは外国人の日本語はあまり良くないと思っているようです。
しかし、「敬語(けいご)・丁寧語(ていねいご)」は、ちがいます。会社のひとは、いい点数をつけています。外国人は悪(わる)い点数をつけていますが、逆(ぎゃく)ですね。
ですから、外国人のみなさんは、敬語(けいご)よりも「相談(そうだん)・報告(ほうこく)」や「傾聴(けいちょう)<=ひとの話をよくきくこと>」のほうが、もっと必要(ひつよう)なことなのです。

外国人にがんばってほしいことは?(外国人に求める資質)
外国人が働(はたら)いている会社のひとは、外国人に期待(きたい)<=なってほしい、してほしい>していることがあります。
それは、
- コミュニケーション能力(のうりょく)
- 日本語能力(にほんごのうりょく)
- 協調性(きょうちょうせい):チームみんなで協力(きょうりょく)すること
- 基礎学力(きそがくりょく):基本(きほん)の勉強(べんきょう)ができること
- 専門知識(せんもんちしき)【特(とく)に技術系(ぎじゅつけい)の外国人】
です。(出典:株式会社ディスコキャリタスリサーチ「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」(2021 年 12 月調査) より)
日本語が上手になるのはとてもいいことです。でも、「日本人とコミュニケーション=会話(かいわ)して、いっしょに仕事すること」がとても大切(たいせつ)です。それは、日本語だけ上手になっても、意味(いみ)がありません。日本語で仕事ができなければなりません。
では、コミュニケーションをしっかりするために、なにをすればいいのでしょうか。
コミュニケーションは聞(き)くことが大切(たいせつ)【コミュニケーション向上のための具体策】
コミュニケーションが大切(たいせつ)なのは、わかりましたね。では、コミュニケーションとは何でしょうか。
コミュニケーションは、
- 情報をあげる : 自分(じぶん)の考え(かんがえ)を他の人(ほかのひと)に言(い)うこと。
- 情報をもらう : 他の人の話(はなし)を聞くこと。
2つとも大切です。
みなさんの仕事では、この「まちがえないで」聞くことがとても大切です。
今日は、情報をもらう、話を聞く練習(れんしゅう)をしましょう。

①メモを取(と)りながら聞(き)く
ひとが話したことを、全部(ぜんぶ)まちがえないで、おぼえていることができますか。
わたしは100%はできないと思います。ですから、わたしはメモを取ります。
メモを取るといいことが5つあります。
ひとつめは、大切(たいせつ)なことをわすれないこと。
ふたつめは、日本語の練習(れんしゅう)になること。
・・・ほかにも3つのいいことがあります。つづきはセミナーで話しますね!
②5W3H<=いつ、どこで、だれが、どうして、なにを>、数字(すうじ)をまちがえないで聞く
みなさんは、聞くときは何(なに)に気をつけていますか。何も気をつけていない?仕事(しごと)のときはそれじゃダメです。大切(たいせつ)なことをちゃんと聞くことができませんよ。
話を聞くときは、5W3Hに気をつけて聞きましょう。
5W3Hとは
- いつ 【時間(じかん)】
- どこで 【場所(ばしょ)】
- だれが 【人(ひと)】
- どうして 【理由(りゆう)】
- なにを 【もの】
- どのように/どうやって 【様子(ようす)/方法(ほうほう)】
- いくら 【値段(ねだん)】
- いくつ【数(かず)】
です。

例えば、課長(かちょう)の話を聞くときなら、
「ちょっとおねがいしたいことがあるんだ。明日(あした)、ぼくは休み(やすみ)をもらうんだけど、10時ころ、宅急便(たっきゅうびん)が届(とど)くんだ。それを受け取って(うけとって)くれないかな?ぼくのデスクの上においてくれる?」
「おねがい」 : わたしが課長のためにやること
- いつ : 明日、10時に
- なに : 宅急便を
- どのように : 受け取って、デスクの上におく
を聞くことができればいいですね。
③最後(さいご)に確認(かくにん)する、くりかえす
最後はぜったいに確認(かくにん)しましょう。話の内容(ないよう)をもう一回(いっかい)、自分(じぶん)のことばで説明(せつめい)します。
一番(いちばん)よくないのは、「はい、わかりました。」で終(お)わりにしてしまうことです。「何が」わかったか、「何を」聞いたのか、くりかえさなければなりません。
もしかしたら、そのひとが言ったことと、ちがうかもしれませんよ。