これやったら中国人激怒?メンツをつぶすこんな言動

初めまして。ALOTE事業責任者の小澤春奈と申します。<外国人と働く>をテーマに外国人雇用の基礎知識から外国人の生活までご説明していきます。

今回は「中国人との接し方で気をつけること」についてお話しします。この記事を読めば、中国人が大切にするメンツの意味が理解できます。また、彼らと円滑にビジネスを進めるために避けるべき言動がわかります。

中国人はメンツを重んじる

メンツは「面子」と書きます。日本語でも中国語でも言葉の使い方は同じです。

日本人もメンツを気にしますが、中国人はそれ以上です。中国人はメンツをつぶされたと感じたとき、非常に重く捉えます。日本人の感覚とは違うので気を付けなければなりません。

日本語学校の担任をしていた時期に中国人学生と接した経験を基に書かせていただきます。私自身が失敗してしまった対応もお恥ずかしながらお話しします。反面教師として参考にしてみてください。

中国人への接し方タブー

上司に注意される女性社員

タブー① 他人の前で叱る

中国人への接し方のタブーの中で最もやってはいけないこと、それが人前で叱ることです。

日本語教師のときにやってしまった失敗がまさにこれでした。中国人学生に面と向かって抗議されたことがあるのです。

教師ですから学生を注意することも頻繁にありました。特に在留資格の更新の際に重要となる出席率についての注意ばかりしていました。欠席や遅刻が多ければ、在留資格の更新が許可されないことがあったためです。

私が毎日のように注意していた学生Aくんは、週5日の授業にまともに出席していませんでした。ご両親が裕福だったため、学校の行き帰りはタクシーでしたが、それでも遅刻欠席ばかりでした。

個人的に教室で二人で話したのですが全く改善しなかったので、終いには職員室に呼び出すことになりました。出席データを見せながら学生指導コーナーで話をしました。すると彼は顔を真っ赤にして部屋を出て行ってしまったのです。

そして後日、メールで彼から抗議されました。「私はすごく恥ずかしかった。メンツをつぶされた。」と。

このケースのように本人のためにしたことで、どうしても注意しなければならない場面であっても人前で叱るのは厳禁なのです。それまで積み上げてきた二人の信頼関係が崩壊してしまうこともありえます。

タブー② 言い訳に対して意見する

これは①のAくんの言い訳に対して、私が意見した時に経験しました。これがその時の会話です。

メンツを大事にする中国人は、意見されて論破されてしまうのを嫌います。言い訳に反論すると段々とエスカレートしていき、屁理屈に発展してしまうことがあります。

中国人の言い訳に意見した場合に事態がこじれてしまうやりとり

出席率を改善するように注意すれば、「タクシーのせいで遅刻してしまう」と言い訳する。タクシー以外の方法で登校するように助言すれば、「面倒だし朝起きられない」。夜早く寝ることや午後クラスへの変更を提案しても、「自分の都合と合わない」と反論されました。

中国人は自己主張をしっかりとする傾向があるので、彼らのメンツのためにも一度主張を聞くのが効果的です。一度主張を受け入れてから一緒に解決策を見つければ、言い訳が屁理屈に発展しにくいでしょう。

タブー③ 謝罪させる

日本人が悪いことやミスをしたらまず謝る。「すみません」という謝罪からコミュニケーションが始まるのです。日本人が謝るのは「自分の非を認めたから」だけではないのです。「自分のしたことで周囲に迷惑をかけたことに対しての謝罪」であることが多いのではないでしょうか。

ミスを認めて謝ることで、その後のコミュニケーションが円滑になります。日本人の考え方として、過ちを認めた人に対して周囲は追い打ちをかけるように責めることはしないからです。まず謝ってしまおう。潔く罪を認めることをかっこいいとさえ考えることもあります。

それに対して中国人は簡単には謝罪しません。謝れば罪を無条件に認めたことになるからです。そうなれば罪を償わなければなりませんし、自分の評価を下げてしまうことになります

ですから、「まずは謝って。それからじっくり話そう。」というのはお勧めしません。日本人にとっても中国人にとっても、謝ることへの認識が違うのでストレスになります。必要以上に謝罪を要求するのは中国人との関係を悪化させてしまいかねません。

タブー④ 上から目線で指示を出す

<中国人を孤立・独走させてしまう3つの禁句>で禁句についてお話ししました。

「言わなくてもわかるでしょ」とろくに言葉で説明しない態度は中国人には通用しません。詳しく説明しないのに「いいから早くしろ」と一方的に指示をされるのも中国人にとってはストレスです。

伝えたつもり、わかってるはず、という思い込みで指示しても、期待通りの成果は出ないでしょう。成果が期待通りでないのはあなたの指示が上から目線で具体性に欠けていた可能性はないでしょうか。しっかり伝えれば真面目に努めてくれるのが中国人です。

【 中国人に接するときのタブー 】

①他の人の前で叱る

②言い訳に対して意見する

③謝罪させる

④上から目線で指示を出す

まとめ

中国人が「面子(メンツ)」を大切にする背景を理解しよう

いかがでしたでしょうか。

中国人が重要視する「面子(メンツ)」についての理解を疎かにすると、チームワークを発揮して協働することはできません。

「相手のためだから」「仕事だから」という理由で、頭ごなしに𠮟りつけることなどしないように、接し方に気をつけましょう。

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Haruna Ozawa

氏名: 小澤春奈(OZAWA HARUNA) 東証一部上場の商社にて営業、IR広報で社外対応の実績を積んだ。 その後、「来日した外国人を教育を通して支援したい」という想いから、都内日本語学校に転職。ミャンマー校の立ち上げ、現地校の指導計画立案/実施などの現場の指導体制を整え、帰国。日本・ミャンマー現地合わせて延べ5200人の外国人留学生の現場責任者として指導にあたり、多くの学生を日本社会に送り出す。 日本語学校に8年間勤務し、退職、その後インマイブック株式会社に入社し、教育事業部部長に就任。2021年、多国籍キャリアアップ研修サービス「ALOTE」を立ち上げ、現在に至る。

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