「褒め上手」は気づき上手!あの殺し文句で褒めると、仕事も人間関係もうまくいく!

ALOTE事業責任者の小澤春奈です。こちらでは<外国人と働く>をテーマに執筆しています。

外国人雇用の基礎知識から外国人の生活まで、外国人雇用についてお話ししていきます。

今回は「上手な褒め方」についてです。

この記事では、仕事における上手な褒め方についてご説明しています。また、褒めるときに必要な気づきの視点がわかる内容になっています。是非最後までお読みください。

褒めることのメリットや効果6つ

どんな人でも褒められれば嫌な気持ちはしないものですよね。他人から認められたいという承認欲求は、誰でも持っている自然な欲望です。

また、褒める側にもメリットはあります。褒めることでのプラスの効果は、褒める側にも褒められる側にも現れます。

具体的にどんなメリットがあるのか、見ていきましょう。

【相手】①モチベーションが向上する

日々の仕事で常にモチベーションを高く保っていられる人ばかりではないでしょう。ルーティンワーク的な業務でなんとなく仕事をこなしている人もいるかもしれません。

「このくらいやって当たり前」「頑張りが目立たないなあ」あなたはそう感じていても、相手は真摯に業務に取り組んでいます。

しかし、中には、スポットライトが当たりにくく、社内で注目されない部署や人物もいます。営業部門などのように数字で成果が測れる場合と、そうではない縁の下の力持ち的な部門の場合があるからです。

日頃から周囲の人の行動や努力の過程を観察し、地味な仕事でもしっかり評価してあげることが重要です。「自分の努力を見てくれて褒めてくれる人がいる!」と相手は感じるでしょう。

その結果モチベーションを向上させることができ、日常業務に対する取り組み方にも好影響を与えられます。より高いパフォーマンスが期待でき、業務の質も向上できることでしょう。

モチベーションが上がる会社員

【相手】②自己肯定感が向上する

自己肯定感とは、成功体験を積み重ね、少しずつ自信がつくことで高まるものです。その成功体験の効果を高めるのが、周囲からの称賛です。成功したことの自覚が強化され、褒められなかったときよりも自分を肯定しやすくなります。

また、期待されていると感じることで実力以上の成果を出すことができる、とされています。これは、ピグマリオン効果と呼ばれる心理効果として知られています。「人は期待されることによって成長が高まる」という心理効果をご存じですか?これは、ピグマリオン効果と呼ばれるものです。例えば、「教師が生徒に期待していると伝えると、それに応じて生徒の成績が向上する」というものです。

この効果は、ビジネスシーンにおいても、褒めることを活用し、相手の行動や考えをプラスに働かせることができるでしょう。

【自分】③観察力が身に着く

人を褒めるときに欠かせないのは、相手のことをしっかり観察することです。どこを褒めればいいのかは、日常的に接していて、変化がわかる相手のことしかわからないからです。

例えば、初対面の人の場合はどうでしょうか。もし何か褒めるとしても、表面的で外見的な事柄に終始するしかありません。手探り状態のコミュニケーションを経て、段々と相手の長所短所がわかり、相手の内面を褒めることができるようになるのです。

観察力は、ビジネスでリーダーが必要とされるスキルのひとつです。観察力を用いて褒め上手になるということで、仕事力の向上にもつながりますし、より良い人間関係を築くことができます

【自分】④気持ちも考え方も前向きになる

褒める行為は、実は褒められた相手だけでなく、褒めた側にも良い影響をもたらします。

褒めた相手がやる気になったり、人間的に成長したりする姿を目の当たりにすると、どう感じますか?褒めた側も、相手の変化を感じ、自身の褒めた行動の効果を実感するのではないでしょうか?

また、褒めた相手の成長を見て、「自分も負けていられないな」と前向きに考え行動に移すことができるでしょう。

グータッチをする会社員

【両者】⑤人間関係が円滑になる

褒められた側は、ドーパミンという神経伝達物質が放出され、気分が高まることで幸せを感じます。そして、それは褒めた側に対する信頼感に通じます

また、目標達成などの成果や良い行動などを褒められると、「この人は自分のことを認めてくれている」「自分のことを見てくれている」と感じます。それによって人間関係はより深まるのです。

【両者】⑥人材育成がスムースに進む

褒める行為は良い行動を習慣化させる効果があります。

習慣化とは、顕在意識下でないとできなかった行動が、潜在意識下であってもできるようになることです。人材育成をスムーズにするためには、無意識の行動の積み重ねを利用し、習慣化させることがとても大切です。

例えば、日々の習慣や継続している行動です。

  • 日記をつける
  • ジムでトレーニングをしている
  • 退社後に習い事をしている
  • 毎日健康のためにお弁当作りをしている

など。同じ経験があれば、素直に大変さを共有して、上手に褒められますね。

また、未経験のことであっても、自分に置き換えて考えてみて「できそうもないな」と感じたら、相手の行動力に敬意を払うでしょう。

褒められると、相手は潜在意識化であっても褒められた行為を継続・強化しようと努めます。あまり意識していなかった行動であっても、褒められることで「今のは良い行動だったんだ」と自覚できるようになり、それが他の良い行動を促すことにつながるのです。

新人に向けてOKサインを出す上司

【 褒めることのメリット・効果 】

  1. 相手のモチベーション、向上
  2. 相手の自己肯定感、向上
  3. 自分の観察力、向上
  4. 自分の気持ち・考えが前向きに
  5. 人間関係が円滑に
  6. 人材育成がスムースに

褒めるのが上手な人の特徴

自然体でサラッと褒めるのが上手な人って身の回りにいますよね。嫌味なく、相手が欲しがる言葉を素直に伝えられるのが一番です。

そんな「褒め上手」の特徴とは何でしょうか?

褒められて照れる人

特徴①相手をよく観察し変化に気付ける

相手をよく観察している人は、褒めのポイントにも敏感に気づくことができます。

上手な褒め方とは、頻度が重要。長時間褒めるよりも、ちょっとした変化に気付き、高頻度で褒めるのが効果的なのです。

面と向かって褒めるのが難しい場合は、相手との挨拶のとき、すれ違うタイミングなどで、独り言のように褒めるのも褒め上手のスキル。「つい言葉に出てしまった」ニュアンスを出すことで、自然体で褒めることができます。

また、過去と現在を比べてみると、多くの変化や成長に気付けます。1か月前、半年前、1年前、時間の経過を意識すれば、褒めのポイントはたくさんあります。

「入社した頃よりも電話応対が上手になったね」

「会議準備が1ヶ月前の半分の時間で終わるようになったじゃないか」

など、相手も気付かなかった部分に注目させてあげるのが、褒め上手です。

特徴②長所に変換して褒められる

人は誰しも、得意なことや長所ばかりではありません。不得意なことや短所を抱えています。

しかし、その一見短所に見える部分も、見方を変えれば長所になります。褒め上手は、長所への変換が得意なのです。この手法を「リフレーミング」といいます。ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指します。

例えば、「みんなの前で発表するのは、緊張して嫌です」と言う部下。「緊張するということはそれだけ一生懸命に取り組んでいる証拠。努力家だな」と、言う具合です。他にも、

  • 「話し下手」⇒「聞き上手」
  • 「作業が遅い」⇒「丁寧で慎重」
  • 「落ち着きがない」⇒「いろんなことに興味がある」

マイナスの言葉をプラスに変えて褒めると、相手にとって新しい気付きになるので試してみてください。本人はコンプレックスと感じていても、褒め上手によって新しい発想や考え方に触れることで、相手の考えをポジティブに変えることができます。

女性にフィードバックをする上司

特徴③お世辞ではなく素直に褒められる

褒め上手は、褒めることを「恥ずかしい」とは思っていません。素直に思っていることを口にするので、気構えがないからです。

褒めよう、褒めよう、と意識しすぎると、過剰な褒めやお世辞のように聞こえてしまいます。普段から褒め慣れていないとなんだか特別なことに思え、気恥ずかしく感じるかもしれません。そんな人は、「それいいですね」といったシンプルな言葉から始めるのが正解です。

また、「褒める」=「下心がある」など、考え過ぎてしまう人もいますが、そんなにうがった見方をせず、素直に褒めることでコミュニケーションは深まります。大袈裟ではなく、良いと思った事実を素直にありのまま、相手に伝えるのが褒め上手です。

特徴④表現力・語彙力がある

相手が喜ぶ言葉を伝えられるのが、褒め上手の特徴です。その言葉遣い、表現力には目を見張るものがあります。

例えば、相手の褒められたいポイント、努力しているポイントなどの「褒められたいこと」を褒めるための表現力が豊かです。

「頑張ってるね」だけではなく、「毎日〇〇を続けていてすごいなあ。見習わなくちゃ!」

この「見習わなくちゃ」の一言を添えることで、「自分もそうなりたい」という願望に聞こえ、相手により深く響きます。

また、語彙力もあるので、「頑張っている」を「努力家」「頑張り屋さん」「粘り強い」など、言い方を変えて何度も褒めるのが褒め上手。同じことを褒められているように聞こえないので、相手は新鮮な気持ちで褒め言葉を受け取れるのです。

【 褒め上手の特徴 】

  1. 相手を観察し、変化に敏感
  2. 短所からの長所への変換が上手
  3. 素直
  4. 表現力・語彙力が豊富

上手く褒めるためのコツ

褒めるのがいいのは漠然とわかっているものの、どう褒めたらいいかわからない方は多いのでは?

実際に褒め上手が実践している「上手な褒めのコツ」をご紹介します。具体例も添えて記載しますので、是非明日から使ってみてください。

コツ①小さなほめどころも見逃さず褒める

どんな小さなほめどころも逃さず、挨拶ついでに褒め言葉を掛けましょう。大袈裟に褒めたり、同じ言葉を連呼したり、過剰評価は相手も敏感に察知します。相手の負担にならず、頻度高めに褒めるのがコツです。

【 小さなほめどころも見逃さず褒める 具体例 】

  • 「おはようございます。今日も元気そうですね!」
  • 「お疲れ様。いつもデスクの上が整理されてるね。」

コツ②タイミングよくその場で褒める

褒めるのはタイミングが重要。ほめどころを見つけたら、すぐに褒めましょう。時間を置いても効果は半減してしまいます。

素直にその時「いいね」と感じた気持ちを褒め言葉にしましょう。SNSに「いいね」するくらいの気軽な気持ちで褒めると頻度多めに褒めることができ、効果的です。

コツ③大勢の前で褒める

たくさんの人が集まる場で褒めるのも効果的です。朝礼や会議のタイミングがいいでしょう。褒められた本人は誇らしい気持ちになりますし、他の人たちにも「自分も褒められたい!」という気持ちが生まれます。モチベーションアップの効果も期待できるでしょう。

【 大勢の前で褒める 具体例 】

  • 「Aさんが交渉してくれたおかげで、仕入れ価格を下げてもらうことができました!」
  • 「Bさんの接客態度が素晴らしいと、お客様からお声を頂きました!」
大勢の前で褒め合う会社員

コツ④敢えて本人がいないところで褒める

敢えて、間接的に褒めるほうが相手のモチベーションを上げられることがあります。心理学の「ウィンザー効果」を利用した褒め方です。「ウィンザー効果」とは、直接訴えかけるよりも第三者を介した口コミや情報の方が信頼性が増すという心理状態を言います。

人は第三者からの好評価を間接的に伝え聞くと、直接褒められるよりも喜びが大きくなると言われています。そして、褒めてくれた人により強く好感を持つようになる効果があるのです。「直接褒めるのは照れる」「褒めるのは下心があるようで苦手」という人も、この方法なら実行しやすいのでお勧めです。

【 敢えて本人がいないところで褒める 具体例 】

  • 同僚から「この間部長が言ってたんだけど、君のプレゼン資料の出来が良かったみたいだぞ」
  • 課長から「君の先輩のA君が褒めてたよ。会議のときの発言が積極的だったって。」

コツ⑤具体的に褒める

褒めているポイントが正確に相手に伝わらなければ、意味がありません。相手は具体的に何が良い行動だったのか把握できないため、その行動を習慣づけることもできないでしょう。

「頑張ってるね」だけではなく「最近はアポイント件数も増えていて、よく頑張っているね!」と伝えれば、褒めの対象が何かが明確となり、成果や行動の継続・強化をしようという前向きな気持ちが生まれやすくなります。

誰にでも当てはまる抽象的な褒め言葉を使いがちですが、どんな点がどんなふうに評価や尊敬に値するのかを具体的に伝えたほうが、効果があると言われています。相手も素直に褒め言葉を受け取れますし、褒めた側への信頼や親しみにつながります。

【 具体的に褒める 具体例 】

「いつも明るい声で挨拶してくれるから、オフィスの雰囲気がよくなるね」
「先日の調査データ、グラフがとても効果的に使われていてわかりやすかったよ」

男性会社員を褒める女性社員

コツ⑥他人の言葉を使って褒める

これも「ウィンザー効果」を利用した褒め方です。「ウィンザー効果」とは、直接訴えかけるよりも第三者を介した口コミや情報の方が信頼性が増すという心理状態を言います。

他人の言葉を使った褒め方は、ウィンザー効果の他にも、「複数の人から褒められている」ことを暗示することができます。「私だけでなく、他の人からも評価されているよ」と相手に伝えられるのです。

【 他人の言葉を使って褒める 具体例 】

  • 「君の作成した資料はいつも見やすいと部長も褒めてくださったよ。私も鼻が高いよ」
  • 「A君から聞いたんだけど、先日成立した商談は君のおかげだったそうだね。さすがだなあ!」

コツ⑦お世辞ではなく本音で褒める

周囲の反応を気にしすぎてしまって、うまく褒められないという人はいませんか?過剰な褒め方などをした場合、周囲から「下心ありそう」「ゴマすり」といった感情を抱かれるのでは、と不安になるかもしれません。

また、異性を褒める場合も、セクハラにならないか、気があるように思われないか、気になるところ。このように周囲からの視線を意識しすぎて、なかなか褒めるという行為に移せない方は意外と多いようです。

しかし、お世辞ではなく、本音でサラッと褒めれば嫌味なく褒められます。最初はシンプルな褒め言葉からスタートし、「いいね」と思ったことを口にしてみましょう。

【 お世辞ではなく本音で褒める 具体例 】

  • (仕事を頑張っている同僚に)「集中して頑張ってるね!」
  • (電話を積極的に受けてくれる部下に)「電話応対すごくいいね。助かるよ」
グーサインで褒める上司

コツ⑧質問形式で褒める

褒め言葉がぎこちなく不自然になってしまう人は、質問形を試してみるのも一案です。

直接褒める場合、「○○さんは資料のまとめ方が素晴らしいですね」は偉そうに聞こえて言いづらいのではないでしょうか?そこで、「どうやったら○○さんみたいに資料を上手にまとめられますか?」といった質問に変えてみるとどうでしょう?自然で言いやすいはずです。

相手もストレートに褒められるよりも、質問形式の方が会話も弾み、素直に受け止めやすいかもしれません。質問をすることでコミュニケーションが活発になり、お互いの関係が良くなるでしょう。教わる姿勢を見せることで、褒め言葉に説得力が増し、相手も悪い気はしないものですよ。

【 質問形式で褒める 具体例 】

  • 「Aさんはいつ見てもデスクがきれいですね。整理整頓のコツってあるんですか?」
  • 「会議のときのBさんのアイディア、どうやったらあんなスゴイの考えられるんですか?」

コツ⑨行動やプロセスを褒める

良い結果を出した相手にはもちろん褒めるのは重要ですが、行動やプロセスに焦点を当てて褒めることも必要です。成果を出すまでの過程は本人の努力によるものなので、褒めてあげることで、結果の再現性が高まる効果があります。

【 行動やプロセスを褒める 具体例 】

  • 「今回の商談、トークがスムースだったね。毎日ロープレ練習した成果が出たね」
  • 「定期的に顧客に電話フォローして粘り強く頑張ったおかげで、新規受注できたんだね」
amazingと褒められてガッツポーズ

コツ⑩リフレーミングによる言い換えをして褒める

一見、短所やコンプレックスに感じる特徴を相手の個性と捉えるのも、上手な褒め方です。相手のポテンシャルを引き出し、前向きな考え方にシフトさせる効果もあります。

また、効果的な褒め言葉は、相手がよく使う表現にもヒントがあります。例えば、何かを褒めるときに「思慮深い」という表現を頻繁に使う人は、「計画性がある」や「慎重」という言葉よりも、「思慮深い」という言葉がその人にとっての最上の褒め言葉なのかもしれません。

自分が普段使っている褒め言葉ではなく、敢えて相手の褒め言葉を利用することで、相手のことをより深く理解し、寄り添っているような褒め方をすることが可能です。

【 リフレーミングによる言い換えで褒める 具体例 】

  • (落ち着きがない人に)「いつも積極的に動いていていいね。行動力があるなあ」
  • (無口な人に)「Aさんは聞き上手だから、つい私ばかり話しちゃうね」

【 上手く褒めるコツ 】

  1. 小さなことでも褒める
  2. タイミングよく褒める
  3. 大勢の前で褒める
  4. 本人不在の場で褒める
  5. 具体的に褒める
  6. 他人の言葉を使って褒める
  7. 本音で褒める
  8. 質問形式で褒める
  9. 行動を褒める
  10. リフレーミングで褒める

こんな褒め方は逆効果!NG例4つ

褒め言葉が嫌味に聞こえたり、他者をおとしめているような表現になる人は注意が必要です。

褒められた相手も素直に褒め言葉を受け取れませんし、今後目指すべきゴールが曖昧になることもあります。

自分が褒められた場合に置き換えて、自分がもらって嬉しい褒め言葉を選んで使っていきましょう。

NG例①他者と比較して褒める

「Aさんはできなかったのに、Bさんはすごいね」などと、他人と比較された褒め言葉では、相手も喜びにくいもの。褒められて嬉しいという感情の前に「なぜこの人はAさんのことを悪く言うのか」と、あなたに対するマイナスの感情が生まれてしまいます

また、常に誰かと比較する褒め方を繰り返すと、比較対象の周囲の人を過剰に意識させてしまうことになりかねません。本来、自分の目指すべきゴールや、行動の水準を高めるのではなく、「周囲に勝てばいい」と相手に誤解させてしまいます。

さらに、上記の内容がAさんの耳に入れば、Aさんのモチベーションを下げてしまいますし、あなたに対する悪感情にもつながります。褒めるときに比較することは避けましょう。

NG例②過剰に褒める

大袈裟な表現や、事実に反する過剰な褒め言葉には説得力が伴いません。褒められた相手も、皮肉を言われているように感じたり、「下心があるのか」と警戒されたりする可能性もあります。事実を素直に褒め言葉にできるよう、褒め方のコツを実践してみましょう。

また、周囲が喜ぶからといって、大袈裟な褒め言葉を繰り返すと「褒められ慣れ」の状態になってしまいます。成果を出していなくても、周囲からの褒め言葉がなければ不安や不満になって、褒め言葉の報酬なしには努力できなくなる恐れもあるのです。

褒め言葉は、相手の「実力」と「階層(役職)」に見合うものかの精査をして使うようにしましょう。誰にでもできることを大袈裟に褒めたり、役職として当然の行動を褒められても馬鹿にされているように感じて、心を閉ざしてしまいます。褒める側に対して疑心暗鬼になり、信頼されなくなる可能性もあるので、注意が必要です。

過剰な褒め言葉を連発する人

NG例③褒め言葉の「さしすせそ」を多用しすぎる

褒め言葉の「さしすせそ」は有名ですので、使っている方も多いですよね。

・「さ」さすがですね
・「し」知りませんでした
・「す」すごいですね
・「せ」センスがありますね
・「そ」そうなんですね

の5つなのですが、「すごい」「カッコいい」など単純な感想だけでは、褒め言葉というよりお世辞やおだてに聞こえてしまう可能性があります。過剰に使うと馬鹿にされているように聞こえて逆効果なのです。

とはいえ、「さしすせそ」は相手の心をくすぐる褒め言葉であるのは間違いありません。

上手な使い方は、「プログラミングが得意だなんてすごい」「堂々とプレゼンをしている姿がカッコいい」など、その人だけに当てはまることを具体的な言葉で褒めることです。相手は「自分のことをちゃんと見てくれている」と褒めた人に対する好印象を持ち、さらに前向きな努力を続けられるでしょう。

NG例④上から目線で褒める

褒めるときに難しいのが、「偉そうにならない」こと。「よくできたね」「いいんじゃない」のような褒め言葉は、上から目線と感じられる場合があります。

しかし、上から目線の褒め言葉が絶対にダメということでもありません。部下からしてみると、信頼する上司や尊敬する先輩から成長を認められるのは、誰でも嬉しいものです。

ただし、上から目線の褒め方の効果は、相手との信頼関係があってのこと。そこまでの信頼関係がないと「あなたにそう言われましても(というか、あなたは誰?)」となってしまいます。

上から目線の言葉を選びがちな人は、「ありがとう」などの感謝の言葉、「成果を出して素晴らしい」といった評価の言葉を使う習慣をつけるといいでしょう。

【 褒め方のNG例 】

  1. 他人と比較して褒める
  2. 過剰に褒める
  3. 「さしすせそ」を多用して褒める
  4. 上から目線で褒める

この褒め言葉はすごい!場面別、相手別の殺し文句

  • 失敗をした部下に「いい経験をしたね。次に活かそう!」

失敗してしょげている部下を元気づけ、次に向けて行動を促すひと言。この経験はムダにしないための褒め言葉です。

  • つらそうにしている部下に「息抜きして、切り替えていこう!」

頑張りすぎてスタミナ切れを起こしているのかも。そんな部下を励ますひと言です。

  • 弱気になっている部下に「君だから任せたんだ。できるよ!」

実力はあるのに一歩が踏み出せない部下に対するひと言。相手への期待、励ましを伝えましょう。

  • 野心家の部下に「君しかいないよ!」

上昇志向が強い部下は、認められることで実力を発揮します。「他の誰でもなく君だよ」を特別観を伝えるひと言です。

  • 成長を期待する部下に「教えがいがあるな。もっと伸びるよ!」

誰でも最初はスタートラインから始めます。これからの伸びしろに期待を込めたひと言です。

  • 周囲を気にする部下に「評判イイよ。頑張ってるね!」

承認欲求に飢えている若手社員は多いものです。褒める本人以外にも、大勢の周囲の人からの評価を伝えると効果があります。

  • どんな部下にも使える「信じてるよ!期待しているよ!」

いわゆる褒めの基本理念です。言葉にして伝えることで、相手は期待に応えようと努力してくれるでしょう。

  • 上司を褒めるなら「目標にしています!勉強させていただきます!」

上司を褒めるのは難しいですが、上から目線ではなく、「あなたのようになりたい」という気持ちを伝えるといいでしょう。

  • 初対面の相手には「今日は会えてよかったです!」

初対面の人には会合のために時間を使ってもらっています。「私のために時間をありがとう。有意義なひと時でした」と感謝を伝えると次回以降につながる褒め言葉になります。

  • 時間軸を上手に使って「前から思ってたんだけど…」

異性への告白の常套句でもある「前から」。時間の流れを相手に意識させることで、褒め言葉に信ぴょう性を加えることができます。

相手を励ます女性社員

まとめ

いかがでしたでしょうか。

褒めるというのは簡単なのに、日常では意外と実践できていない行為だったかもしれません。

褒めることは良いことづくめ。明日からすぐにでもできることばかりですので、是非職場で、私生活で、実践してみてくださいね。

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Haruna Ozawa

氏名: 小澤春奈(OZAWA HARUNA) 東証一部上場の商社にて営業、IR広報で社外対応の実績を積んだ。 その後、「来日した外国人を教育を通して支援したい」という想いから、都内日本語学校に転職。ミャンマー校の立ち上げ、現地校の指導計画立案/実施などの現場の指導体制を整え、帰国。日本・ミャンマー現地合わせて延べ5200人の外国人留学生の現場責任者として指導にあたり、多くの学生を日本社会に送り出す。 日本語学校に8年間勤務し、退職、その後インマイブック株式会社に入社し、教育事業部部長に就任。2021年、多国籍キャリアアップ研修サービス「ALOTE」を立ち上げ、現在に至る。

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